日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG23] 気候変動への適応とその社会実装

2023年5月22日(月) 15:30 〜 16:45 202 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:山野 博哉(国立環境研究所)、石川 洋一(海洋研究開発機構)、大楽 浩司(筑波大学)、田村 誠(茨城大学地球・地域環境共創機構)、座長:山野 博哉(国立環境研究所)、石川 洋一(海洋研究開発機構)、大楽 浩司(筑波大学)、田村 誠(茨城大学地球・地域環境共創機構)


15:30 〜 15:45

[HCG23-06] 日本における気候変動による太陽光発電ポテンシャル評価

*正林 奈倫1 (1.筑波大学)

キーワード:気候変動、再生可能エネルギー、太陽光発電

今日では、気候変動や地球温暖化の緩和策として、再生可能エネルギーの役割が増している。特に、大規模開発だけでなく、個人を含めた需要家に近接したところでの自家消費や地産地消を行う分散型エネルギーリソースとしての観点でも、太陽光発電が注目されている。しかし、太陽光発電は、その地点の日射量やパネルの温度に発電量が大きく左右される発電方法であり、今後の気候変動によってその発電量、発電に適した地点が今のものとは変わっていくことが考えられる。
我々は、将来気候予測モデルであるMIROC5を用いて、日本における将来の太陽光発電ポテンシャルがどのように変遷していくかを評価した。その結果太陽光発電ポテンシャルは、地球温暖化の気温上昇に伴って低下する影響よりも日射量の増加によって上昇する影響のほうが大きく、程度の差はあれど全国的に太陽光発電ポテンシャルは増加し、特に中国地方と東北地方北部で太陽光発電ポテンシャルが増加する結果となった。
しかし、特に大規模太陽光発電所(メガソーラー)などは、その地点の気候条件だけでなく、十分な土地の確保、その土地の地盤安定性、大規模需要地域への送電の容易さなど、様々な観点を考える必要があり、一概にその土地が設置に適しているとは言い難いことに注意が必要である。今回得られた結果が、太陽光発電の促進に邁進している国や各自治体、太陽光発電事業を計画してる事業者にとって開発指針の参考になることを目指す。