日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG24] 圏外環境における閉鎖生態系と生物システムおよびその応用

2023年5月21日(日) 15:30 〜 17:00 オンラインポスターZoom会場 (1) (オンラインポスター)

コンビーナ:加藤 浩(三重大学 研究基盤推進機構 先端科学研究支援センター)、篠原 正典(帝京科学大学)、安部 智子(東京電機大学理工学部)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/21 17:15-18:45)

15:30 〜 17:00

[HCG24-P03] 乾燥耐性シアノバクテリアNostoc sp. HK-01の遺伝子発現解析

*柴﨑 健豪1オン 碧2鴇田 未来2横谷 香織3加藤 浩4安部 智子5 (1.東京電機大学大学院 理工学研究科、2.筑波大学大学院 理工情報生命学術院 生命地球科学研究群、3.筑波大学 生命環境系、4.三重大学 研究基盤推進機構 先端科学研究支援センター、5.東京電機大学 理工学部)

キーワード:シアノバクテリア、乾燥耐性

陸棲シアノバクテリア Nostoc sp. HK-01 は、宇宙閉鎖空間での物質循環システムや食資源への利用が期待されている1)。宇宙空間を移動する際の過酷環境に耐えるため、可能な限り高い過酷環境耐性を備えた本菌株の乾燥菌体の準備・作製法の確立が必要となる。そのための第一歩として、本菌株の乾燥過程で特異的に見出される遺伝子あるいは遺伝子群、およびその遺伝子産物についての情報の蓄積に臨んだ。本研究では、藻塊を低水分環境下に曝し、藻塊が湿潤状態から乾燥状態へ移行する過程、また乾燥状態から湿潤状態で蘇生していく過程で誘導される遺伝子群をプロテオーム解析ならびにトランスクリプトーム解析により探索した。
 湿潤状態の藻塊をデシケーター内で徐々に乾燥させ、乾燥していく過程で藻塊の一部を経時的に採取して二次元電気泳動に供し、藻塊中に存在するタンパク質を経時的に観察した。同様に、蘇生過程の藻塊についても、採取して解析した。その結果、水分量が減少するにつれて、あるいは蘇生が進むにつれて特異的に存在量が増減する複数のタンパク質の存在を確認した。これらのタンパク質を同定し、その機能の解析を進めるとともに、乾燥・蘇生過程におけるこれらの遺伝子発現量変化の詳細を調べた。

参考文献:
1. Tomita-Yokotani, K. et al., Astrobiology 21, 1506-1514, 2021.