15:30 〜 17:00
[MZZ43-P07] ジオパークが中心となって構築する災害デジタルアーカイブとその課題
キーワード:2008年(平成20年)岩手・宮城内陸地震、ジオパーク、災害痕跡、災害デジタルアーカイブ、Web-GIS
ジオパークには,過去の自然災害の痕跡や情報が多く残されている。これらの災害の痕跡や情報を整理し,アーカイブし,発信することは,ジオパークの地質・情報資源の可視化を促進し,ジオサイトの保護・保全のための基礎資料となりうるものである.災害の発生は地形・地質条件によるところが大きいため,地理情報システムの利用を念頭にしたデジタルアーカイブ構築を行うことで,現地の地質・地形を伝達することが容易になる.本稿では,栗駒山麓ジオパークにおけるWeb-GISを用いたデジタルアーカイブの構築について考察する.
2011年東日本大震災以降,特に災害デジタルアーカイブの取り組みが進められてきた(例えば,東北大学みちのく震録伝など).デジタルアーカイブ自体は,例えば銚子ジオパークなどで取り組まれている.また,地図情報と災害痕跡を組み合わせた取り組みも進められてきた.例えば,鈴木・佐藤(2022)では,磐梯山エリアを対象に,1888年磐梯山噴火に関する災害痕跡や写真コンテンツを使って検討した.また,防災科研と海洋研究開発機構が中心となって,災害記念碑デジタルアーカイブマップが公開されている.
栗駒山麓ジオパークは2008年(平成20年)岩手・宮城内陸地震(以下,2008年地震)を契機にできたジオパークである.2008年地震の災害アーカイブとしての役割も有している.地震から15年が経過し,現地の痕跡は多くが見えなくなってきており,災害発生情報の継承が希薄になりつつある.そこでジオパークでこれまで蓄積されてきた災害痕跡や資料を,Web-GISの技術を用いて,地域全体をみた包括的なコンテンツとして発信する.
コンテンツの構成は、鈴木・佐藤(2022)を参考に、a)ジオサイト、b)自然災害伝承のためのモニュメント、c)2008年の地震現象に関する資料、d)当時の写真、e)地域防災活動、f)栗原市で発生した過去の自然災害の6項目程度を想定している.
構築したデジタルアーカイブは,ジオガイドや専門員が行うジオパーク学習で活用する.例えば,事前に学校側で学習コンテンツとして提供することを検討している.GISプラットホームは,オープンソース,災害アーカイブのシステムはステークホルダーの組織のものを検討している.課題は,ジオパークで必要な属性情報の精査とデータの所蔵元の明記,下地となる現象情報データの整備である.情報のオープン,クローズドの選別,二次利用の許諾,エリア内の自然災害伝承碑や沈下橋などの現状の調査を今後進めていく.
2011年東日本大震災以降,特に災害デジタルアーカイブの取り組みが進められてきた(例えば,東北大学みちのく震録伝など).デジタルアーカイブ自体は,例えば銚子ジオパークなどで取り組まれている.また,地図情報と災害痕跡を組み合わせた取り組みも進められてきた.例えば,鈴木・佐藤(2022)では,磐梯山エリアを対象に,1888年磐梯山噴火に関する災害痕跡や写真コンテンツを使って検討した.また,防災科研と海洋研究開発機構が中心となって,災害記念碑デジタルアーカイブマップが公開されている.
栗駒山麓ジオパークは2008年(平成20年)岩手・宮城内陸地震(以下,2008年地震)を契機にできたジオパークである.2008年地震の災害アーカイブとしての役割も有している.地震から15年が経過し,現地の痕跡は多くが見えなくなってきており,災害発生情報の継承が希薄になりつつある.そこでジオパークでこれまで蓄積されてきた災害痕跡や資料を,Web-GISの技術を用いて,地域全体をみた包括的なコンテンツとして発信する.
コンテンツの構成は、鈴木・佐藤(2022)を参考に、a)ジオサイト、b)自然災害伝承のためのモニュメント、c)2008年の地震現象に関する資料、d)当時の写真、e)地域防災活動、f)栗原市で発生した過去の自然災害の6項目程度を想定している.
構築したデジタルアーカイブは,ジオガイドや専門員が行うジオパーク学習で活用する.例えば,事前に学校側で学習コンテンツとして提供することを検討している.GISプラットホームは,オープンソース,災害アーカイブのシステムはステークホルダーの組織のものを検討している.課題は,ジオパークで必要な属性情報の精査とデータの所蔵元の明記,下地となる現象情報データの整備である.情報のオープン,クローズドの選別,二次利用の許諾,エリア内の自然災害伝承碑や沈下橋などの現状の調査を今後進めていく.