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[O06-P41] 兵庫県南部の揖保川花崗閃緑岩の角閃石から発見した波状累帯構造から熱水残液の循環環境を考える
キーワード:熱水残液、波状累帯構造、サブソリダス
角閃石の波状累帯構造は、結晶化後にサブソリダス環境下でマグマが発泡して生成した熱水残液の循環の影響によるイオン置換を記録している。本研究で筆者らは、山陽帯の花崗閃緑岩の角閃石から、初めて明瞭な波状累帯構造を確認した。ほぼ同時代に同地域で活動した中性マグマが固結してできた火山岩であるデイサイトの角閃石から同様の微細構造は発見されない。
波状累帯構造が幅広い領域に発達している山陰帯の深成岩の角閃石に比べて、山陽帯の深成岩では角閃石の波状累帯構造の発達の程度は低い。マグマが、発泡による熱水残液が形成されにくい深所に貫入して固結したために、熱水残液の循環が山陰帯に比べて起こりにくい還元的環境にあったと推定される。波状累帯構造をもつ角閃石の最外縁部には濃緑色リムが形成されており、最終段階では酸化的環境であったと考えられる。一方、デイサイトのような火山岩では、固結までの時間が短く、また還元的環境であったために、熱水残液が形成されたり循環が起こったりする可能性が低かったのではないか。
波状累帯構造が幅広い領域に発達している山陰帯の深成岩の角閃石に比べて、山陽帯の深成岩では角閃石の波状累帯構造の発達の程度は低い。マグマが、発泡による熱水残液が形成されにくい深所に貫入して固結したために、熱水残液の循環が山陰帯に比べて起こりにくい還元的環境にあったと推定される。波状累帯構造をもつ角閃石の最外縁部には濃緑色リムが形成されており、最終段階では酸化的環境であったと考えられる。一方、デイサイトのような火山岩では、固結までの時間が短く、また還元的環境であったために、熱水残液が形成されたり循環が起こったりする可能性が低かったのではないか。