13:45 〜 15:15
[O06-P60] 知らない現象(不知火現象)を科学する5 ~不知火の実態と再現の試み~
キーワード:不知火、蜃気楼、異常屈折、再現実験、光路
1 はじめに~不知火現象とはなにか~
本研究の題材である不知火現象とは1年で八朔(旧暦8月1日)の晩に不知火海で見られる怪火現象のことで異常屈折による蜃気楼の一種と考えられている。光源(漁火)が明滅し、時間変化する。科学的には未解明の現象であり、誰もよく知らない。ここ40年近くは研究もされずに、人々の関心も低くなっている。
2 研究の目的・結果
今年度は①現状、②原理、③再現の3つの疑問から研究を行い、不知火の実態と科学的原理の解明に挑んだ。
疑問1:「現状~今、不知火は見られるのか?~」 5年目でようやく八朔の晩に観測できた。結果、光源が反転し明滅する現象を観測できた。また、時間経過で光源数が「0→1→2」と変化することに気付いた。しかし、不知火は観測できなかった。
疑問2:「原理~科学的な観測・発生原理は?~」 過去の不知火観測記録を元に、観測・発生の条件をそれぞれ考えた。川合ほか(2020)を参考にすると、八朔時に観測した現象は、時間経過での潮位変化による光源・観測点の高さの相対的変化によるものであると科学的に説明できた。また、不知火の発生条件は、発達した “温度層” ※ と気温のムラであると考えた。※ “温度層”… 海水の影響を受けて気温変化する海面付近の空気層を便宜上“温度層”とよぶことにする。
疑問3:「再現~不知火の再現はできるのか?~」 室内でヒーターと扇風機などを用いて不知火海に見立て、不知火の再現実験を行った。光源の光が横に伸びる現象が確認され、不知火現象の再現に成功したと考えられる。
3 研究のまとめ
5年間の観測や実験を元にした研究により、不知火は現在、観測困難である実態が明らかになった。また、様々な条件を満たすによって発生・観測できる、大変珍しい蜃気楼現象であることを科学的に解明できた。
本研究の題材である不知火現象とは1年で八朔(旧暦8月1日)の晩に不知火海で見られる怪火現象のことで異常屈折による蜃気楼の一種と考えられている。光源(漁火)が明滅し、時間変化する。科学的には未解明の現象であり、誰もよく知らない。ここ40年近くは研究もされずに、人々の関心も低くなっている。
2 研究の目的・結果
今年度は①現状、②原理、③再現の3つの疑問から研究を行い、不知火の実態と科学的原理の解明に挑んだ。
疑問1:「現状~今、不知火は見られるのか?~」 5年目でようやく八朔の晩に観測できた。結果、光源が反転し明滅する現象を観測できた。また、時間経過で光源数が「0→1→2」と変化することに気付いた。しかし、不知火は観測できなかった。
疑問2:「原理~科学的な観測・発生原理は?~」 過去の不知火観測記録を元に、観測・発生の条件をそれぞれ考えた。川合ほか(2020)を参考にすると、八朔時に観測した現象は、時間経過での潮位変化による光源・観測点の高さの相対的変化によるものであると科学的に説明できた。また、不知火の発生条件は、発達した “温度層” ※ と気温のムラであると考えた。※ “温度層”… 海水の影響を受けて気温変化する海面付近の空気層を便宜上“温度層”とよぶことにする。
疑問3:「再現~不知火の再現はできるのか?~」 室内でヒーターと扇風機などを用いて不知火海に見立て、不知火の再現実験を行った。光源の光が横に伸びる現象が確認され、不知火現象の再現に成功したと考えられる。
3 研究のまとめ
5年間の観測や実験を元にした研究により、不知火は現在、観測困難である実態が明らかになった。また、様々な条件を満たすによって発生・観測できる、大変珍しい蜃気楼現象であることを科学的に解明できた。