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[O06-P67] 日本列島周辺の地震震源分布及びグルーピング
キーワード:地震、日本列島、プレート
日本列島周辺は4つのプレートに囲まれており、世界有数の地震発生地帯として知られている。本研究では日本列島周辺の地震を海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むことによって発生するプレート境界地震、大陸プレートの内部で発生する大陸プレート内地震、沈み込んだ海洋プレートの内部で発生する海洋プレート内地震、深さ300 km以深の沈み込むプレート内部で発生した深発地震の4種類の地震に判別し考察した。
はじめに調査期間を1月1日から3月15日とし、気象庁の地震速報として発表されている全282回の地震の発生日時、発生場所(緯度・経度)、震源の深さ(km)を表としてまとめた。このデータをもとに国土地理院の淡色地図中に震源の深さ10kmごとに色分けし、震源をプロットした。ここで谷謙二氏の提供する地理情報システム(GIS)ソフトウェアを使用した。そして地震の分類基準を先行研究から定め、地震の種類を判別した。本研究ではプロットした同緯度同経度の地点で生じた地震を深さによって判別した。その基準を以下に示す。すなわち、その地点で生じた地震の震源の深さが、(a)プレート等深線より浅ければ大陸プレート内地震、(b)プレート等深線と概ね重なるならばプレート境界地震、(c)プレート等深線よりも深いならば海洋プレート内地震とする。また、(d)主に300km以深で発生し、上記の地震判断から外れたものは深発地震とした。これらのデータを作成するにあたり、産業技術総合研究所地質調査総合センターの日本列島下に沈み込む太平洋プレートとフィリピン海プレートの3Dデータ等深線データを用いた。なお、気象庁が発表した地震速報における震源の深さは、例えば10kmと表記されている場合、5km以上15km未満の幅を持つ。そのため、不明瞭な事例に関しては気象庁のホームページにある震源リストのデータを別途参照した。
この調査の結果、本研究で判別できた地震は種類別に、プレート境界地震が82件、大陸プレート内地震が114件、海洋プレート内地震が25件、深発地震が2件、判別不可が59件となった。本調査で対象にした地震の約8割を判別することができた。判別不可とした59件の地震について詳しく見てみると①震源の位置が同緯度同経度のプレート等深線と概ね重なり、上記基準でプレート境界地震と判断し得るが100km以深の地震が3件、②同緯度同経度のプレート等深線より浅く、火山活動が活発な地域で発生した地震が24件、③本研究では検討がつかない地震が32件であった。これらの地震を上記4種の地震に判別するためには、①はプレート境界地震の発生メカニズムから鑑みて地質温度のデータが必要であり、②は震源付近のマグマの上昇を裏付けるデータが必要となる。本研究では約8割の地震を4種類の地震に判別することができた。また気象庁のデータを用いることによって誰でも何処でも研究を行うことができるのが本研究の意義である。しかし判別不可とした地震の分類や、本手法における判別の信憑性を上げるためには、扱うデータを増やしたり調査対象を増やすべきである。
はじめに調査期間を1月1日から3月15日とし、気象庁の地震速報として発表されている全282回の地震の発生日時、発生場所(緯度・経度)、震源の深さ(km)を表としてまとめた。このデータをもとに国土地理院の淡色地図中に震源の深さ10kmごとに色分けし、震源をプロットした。ここで谷謙二氏の提供する地理情報システム(GIS)ソフトウェアを使用した。そして地震の分類基準を先行研究から定め、地震の種類を判別した。本研究ではプロットした同緯度同経度の地点で生じた地震を深さによって判別した。その基準を以下に示す。すなわち、その地点で生じた地震の震源の深さが、(a)プレート等深線より浅ければ大陸プレート内地震、(b)プレート等深線と概ね重なるならばプレート境界地震、(c)プレート等深線よりも深いならば海洋プレート内地震とする。また、(d)主に300km以深で発生し、上記の地震判断から外れたものは深発地震とした。これらのデータを作成するにあたり、産業技術総合研究所地質調査総合センターの日本列島下に沈み込む太平洋プレートとフィリピン海プレートの3Dデータ等深線データを用いた。なお、気象庁が発表した地震速報における震源の深さは、例えば10kmと表記されている場合、5km以上15km未満の幅を持つ。そのため、不明瞭な事例に関しては気象庁のホームページにある震源リストのデータを別途参照した。
この調査の結果、本研究で判別できた地震は種類別に、プレート境界地震が82件、大陸プレート内地震が114件、海洋プレート内地震が25件、深発地震が2件、判別不可が59件となった。本調査で対象にした地震の約8割を判別することができた。判別不可とした59件の地震について詳しく見てみると①震源の位置が同緯度同経度のプレート等深線と概ね重なり、上記基準でプレート境界地震と判断し得るが100km以深の地震が3件、②同緯度同経度のプレート等深線より浅く、火山活動が活発な地域で発生した地震が24件、③本研究では検討がつかない地震が32件であった。これらの地震を上記4種の地震に判別するためには、①はプレート境界地震の発生メカニズムから鑑みて地質温度のデータが必要であり、②は震源付近のマグマの上昇を裏付けるデータが必要となる。本研究では約8割の地震を4種類の地震に判別することができた。また気象庁のデータを用いることによって誰でも何処でも研究を行うことができるのが本研究の意義である。しかし判別不可とした地震の分類や、本手法における判別の信憑性を上げるためには、扱うデータを増やしたり調査対象を増やすべきである。