10:45 〜 12:15
[PEM10-P04] Geotail・MMS・Arase・Cluster衛星によるサブストーム開始前の地球向き低速イオン流の観測
キーワード:サブストーム、磁気圏尾部、磁気再結合
サブストーム開始の数分前に、地球磁気圏近尾部において、しばしば地球向き低速イオン流が観測される。本研究では、このプラズマ流が磁気再結合起源ではない例を示す。AL指数で-700nTのサブストームが2017年8月4日1749UTに開始した。開始時刻はArase衛星が観測したauroral kilometric radiation (AKR)を用いて同定した。このとき、Geotail・MMS・Arase・Cluster衛星は真夜中前に位置し、磁気双極子化を観測した。特に、Geotail衛星とMMS衛星群は磁気圏尾部プラズマシート境界領域付近に滞在しており、両者の衛星間距離は2 Reであった。aberrated GSM座標系で、Getail衛星は(X,Y) = (-16.8, 3.1) Re 、MMS衛星は (-18.4, 3.0) Reに滞在しており、モデルneutral sheetからの距離は、それぞれ2.4, 1.4 Reであった。
サブストーム開始の5分前(1744 UT)に、Geotail衛星は、地球向き低速イオン流(150km/s)を観測した。このイオン流は10keVのビームであった。しかし、Geotail衛星よりもneutral sheetに近いMMS衛星は対応するイオン流を観測しなかった。したがって、この例において、サブストーム開始数分前に観測された地球向き低速イオン流は、近尾部磁気再結合の開始に対応しないと考えられる。
サブストーム開始の5分前(1744 UT)に、Geotail衛星は、地球向き低速イオン流(150km/s)を観測した。このイオン流は10keVのビームであった。しかし、Geotail衛星よりもneutral sheetに近いMMS衛星は対応するイオン流を観測しなかった。したがって、この例において、サブストーム開始数分前に観測された地球向き低速イオン流は、近尾部磁気再結合の開始に対応しないと考えられる。