日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG52] 海洋底地球科学

2023年5月24日(水) 13:45 〜 15:15 オンラインポスターZoom会場 (6) (オンラインポスター)

コンビーナ:沖野 郷子(東京大学大気海洋研究所)、田所 敬一(名古屋大学地震火山研究センター)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/23 17:15-18:45)

13:45 〜 15:15

[SCG52-P09] GNSSデータを用いた過去の大陸形状の推定

*原田 靖1、大石 稜斗1、佐々木 音和1 (1.東海大学 海洋学部 海洋地球科学科)

キーワード:過去の大陸形状、GNSSデータ

GNSSで観測される運動速度ベクトルと過去数百万年間のプレート運動が, 良い一致をしていることを示す多くの研究が有る(Gordon,1993, DeMets et al.,2010等). しかしGNSSデータから推定されるプレートの内部変形と数千万前の大陸形状とが比較可能かどうかは未だはっきりしていない. 本研究ではグローバルに17000点以上の観測点データを公開している Nevada Geodetic Laboratory のGNSS解析解データ(以下Nevadaと略す)を用いて, 南米大陸, オーストラリア大陸, 南極大陸の過去の形状を推定し, 古地磁気データと比較を行ったり, ゴンドワナ大陸分裂時の海岸線の形状の復元を試みた.
南米大陸の過去の形状の推定では, IGS-NASAのGNSSデータを使った結果(勝間田ら,2016JpGU)が有るが, 今回はGNSS観測点のより多いNevadaを用いて解析を行った. 南米大陸下に沈み込むナスカプレートの影響で巨大地震が頻発している地域では, 地震の影響を取り去って速度分布を求めたためGNSSデータの方が大きめの速度で推定されたが古地磁気データ(Kono et al.,1985, Randall et al.,1996)と大まかに良い一致を示した. またオーストラリア-南極大陸間の海岸線の形状の復元では, 初めにFracture Zoneで両大陸の対応する2対の点を固定し, その上で両大陸のNevadaの速度ベクトルデータを補間して過去の大陸の形状を計算したところ, プレート内変形を考慮しない場合に比べて両大陸の過去の大陸棚の境界線が良い一致を示した.
この結果からGNSSデータは少なくとも50Ma程度の過去までは外挿して地質学的なデータと比較可能なことが強く示唆される.

本研究は東海大学海洋学部海洋地球科学科における2022年度卒業論文の一部である.