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[SGD02-P04] 10分程度継続するイベントをハイレートGNSSデータから検出する試み
キーワード:ハイレートGNSS、マッチドフィルタ法、Ultra-slow earthquake
様々な時間スケールのスロー地震が報告されているが、継続時間10分から1日程度の単発のイベントはほとんど検出されていない(Nishikawa et al., 2023)。本研究は、2011年東北地方太平洋沖地震直後のハイレートGNSSデータから、継続時間10分程度のイベントを検出する試みである。
東北地方太平洋沖地震直後の約18時間分、30秒サンプリングのハイレートGNSSデータ(Mitsui and Heki, 2012)を使用した。座標推定アルゴリズム(精密単独測位)に由来するノイズが、通常の1日サンプリングGNSSデータよりはるかに大きいため、データのS/N比を改善する必要がある。そこで、前処理として、(1)プレート境界の逆断層すべり方向の水平ベクトル合成、(2)時系列データの類似性に基づく観測点のクラスタリング、(3)独立成分分析に基づくコモンモード除去を実施する。そして、相関分析に基づくテンプレートマッチングを行い、複数の観測点で同時に発生する変動を抽出する。
テンプレートマッチングの結果、茨城県周辺の複数の観測点で、断層すべり由来の可能性がある変動が数例確認された。最も可能性の高いものについて、プレート境界での断層すべりを仮定し、インバージョン解析を行った。その結果を、スロー地震の規模-継続時間スケーリング関係と比較したところ、"ultra-slow earthquake" (Kawasaki et al., 1995)と通常の地震の間に位置した。このことは、本研究のイベントが大地震後の余効変動によって誘発されたスロースリップイベント(SSE)である可能性を示唆する。
東北地方太平洋沖地震直後の約18時間分、30秒サンプリングのハイレートGNSSデータ(Mitsui and Heki, 2012)を使用した。座標推定アルゴリズム(精密単独測位)に由来するノイズが、通常の1日サンプリングGNSSデータよりはるかに大きいため、データのS/N比を改善する必要がある。そこで、前処理として、(1)プレート境界の逆断層すべり方向の水平ベクトル合成、(2)時系列データの類似性に基づく観測点のクラスタリング、(3)独立成分分析に基づくコモンモード除去を実施する。そして、相関分析に基づくテンプレートマッチングを行い、複数の観測点で同時に発生する変動を抽出する。
テンプレートマッチングの結果、茨城県周辺の複数の観測点で、断層すべり由来の可能性がある変動が数例確認された。最も可能性の高いものについて、プレート境界での断層すべりを仮定し、インバージョン解析を行った。その結果を、スロー地震の規模-継続時間スケーリング関係と比較したところ、"ultra-slow earthquake" (Kawasaki et al., 1995)と通常の地震の間に位置した。このことは、本研究のイベントが大地震後の余効変動によって誘発されたスロースリップイベント(SSE)である可能性を示唆する。