10:45 〜 12:15
[SGD02-P06] 2018年以降の西南日本のプレート間すべりの時空間変化
キーワード:長期的スロースリップ、日向灘、紀伊水道
要旨
西南日本のGNSSデータを用いて、2018年以降の南海トラフ沿いのプレート間滑りを推定した。その結果、2018年7月頃から日向灘北部でSSEが発生し、2018年10月から2019年半ばにかけて豊後水道にSSE領域が広がったことが推定された。Mwは7.0程度と推定されている。また2018年末頃から2019年初めにかけて日向灘南部でSSEが発生しており、Mw6.0程度の規模と推定された。2019年初めから四国中部でSSEが発生し2022年12月時点まで継続している。Mw6.5程度のエネルギーが見積もられている。四国中部の長期的SSEは、四国北西部の短期的SSEと同期してモーメントが増加する場合がある。2019年4月頃から紀伊水道でSSEが発生し、2022年に終了している。Mwは6.3程度と推定された。2020年半ばから2021年半ばまで日向灘南部でSSEが発生しMw6.5程度のエネルギーが放出された。種子島沖合では、2019年種子島地震後にアフタースリップが発生しMw6.6程度のエネルギーが放出されている。
はじめに
2018 年から南海トラフに沿って四国から九州までの領域で遷移的な地殻変動が検出された。 先行研究では、2011 年東北地方太平洋沖地震と 2016 年熊本地震後の余効変動を考慮していなかった。本研究では、2011 年の東北地方太平洋沖地震と 2016 年の熊本地震の影響を粘弾性変形として計算し補正すると共に、解析領域を拡大して、2018 年以降のプレート境界面の状態の時空間進化を推定した。
解析方法
2011 年の東北地方太平洋沖地震と 2016 年の熊本地震の粘弾性変形を、Suito (2017), 水藤 (2017) の結果に従って補正し、2006-2009年の一次トレンドを元データから除去している。 240点のGPS 観測点の東西、南北、上下成分を時間依存のインバージョンに使用した。プレート形状はHirose(2008)に基づき三角形要素で表している。解析期間は2018年1月~2022年12月までとした。
結論
豊後水道の滑りは、先行研究と調和的な結果が得られている。四国中部のSSEは2019年ころから始まり、2023年時点でまだ続いている。四国中部の長期的SSEは、四国北西部の短期的SSEの発生に同期してモーメント増加が認められた。推定モーメントはMw6.5程度と推定された。紀伊水道では、2019年頃から始まり2022年には終了している。Mwは6.3程度と推定された。日向灘南部のSSEでは2020年半ばから2021年半ばにかけてMw6.5程度のエネルギーが放出された。種子島沖合では、2019年種子島地震(Mw6.4)後にスロースリップが2度ほど発生しトータルとしてはMw6.6程度のエネルギーが放出されている。
西南日本のGNSSデータを用いて、2018年以降の南海トラフ沿いのプレート間滑りを推定した。その結果、2018年7月頃から日向灘北部でSSEが発生し、2018年10月から2019年半ばにかけて豊後水道にSSE領域が広がったことが推定された。Mwは7.0程度と推定されている。また2018年末頃から2019年初めにかけて日向灘南部でSSEが発生しており、Mw6.0程度の規模と推定された。2019年初めから四国中部でSSEが発生し2022年12月時点まで継続している。Mw6.5程度のエネルギーが見積もられている。四国中部の長期的SSEは、四国北西部の短期的SSEと同期してモーメントが増加する場合がある。2019年4月頃から紀伊水道でSSEが発生し、2022年に終了している。Mwは6.3程度と推定された。2020年半ばから2021年半ばまで日向灘南部でSSEが発生しMw6.5程度のエネルギーが放出された。種子島沖合では、2019年種子島地震後にアフタースリップが発生しMw6.6程度のエネルギーが放出されている。
はじめに
2018 年から南海トラフに沿って四国から九州までの領域で遷移的な地殻変動が検出された。 先行研究では、2011 年東北地方太平洋沖地震と 2016 年熊本地震後の余効変動を考慮していなかった。本研究では、2011 年の東北地方太平洋沖地震と 2016 年の熊本地震の影響を粘弾性変形として計算し補正すると共に、解析領域を拡大して、2018 年以降のプレート境界面の状態の時空間進化を推定した。
解析方法
2011 年の東北地方太平洋沖地震と 2016 年の熊本地震の粘弾性変形を、Suito (2017), 水藤 (2017) の結果に従って補正し、2006-2009年の一次トレンドを元データから除去している。 240点のGPS 観測点の東西、南北、上下成分を時間依存のインバージョンに使用した。プレート形状はHirose(2008)に基づき三角形要素で表している。解析期間は2018年1月~2022年12月までとした。
結論
豊後水道の滑りは、先行研究と調和的な結果が得られている。四国中部のSSEは2019年ころから始まり、2023年時点でまだ続いている。四国中部の長期的SSEは、四国北西部の短期的SSEの発生に同期してモーメント増加が認められた。推定モーメントはMw6.5程度と推定された。紀伊水道では、2019年頃から始まり2022年には終了している。Mwは6.3程度と推定された。日向灘南部のSSEでは2020年半ばから2021年半ばにかけてMw6.5程度のエネルギーが放出された。種子島沖合では、2019年種子島地震(Mw6.4)後にスロースリップが2度ほど発生しトータルとしてはMw6.6程度のエネルギーが放出されている。