日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS14] 海洋物理学一般

2024年5月30日(木) 13:45 〜 15:00 104 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:土井 威志(JAMSTEC)、岡 顕(東京大学大気海洋研究所)、座長:土井 威志(JAMSTEC)、岡 顕(東京大学大気海洋研究所)

14:30 〜 14:45

[AOS14-04] 福岡湾潮位変動の東西差について

*上原 克人1、油布 圭1、広瀬 直毅1、中岡 歩2、篠原 満寿美2 (1.九州大学、2.福岡県水産海洋技術センター)

キーワード:内湾、対馬海峡、潮位

対馬海峡南岸に位置する福岡湾の潮位は、海峡を通過する対馬暖流の強さの指標など、湾内外の海洋環境を理解する目的でしばしば用いられるが、湾内の潮位変動の違いについては報告例が少ない。そこで本研究では2023年8月に九州大学と福岡県水産海洋技術センターが福岡湾西部に設置した圧力式水位計の潮位記録を解析したところ、湾東部に位置する博多験潮所にて従来から観測されていた2~3時間周期の振動と同周期・位相の振動が湾西部でも観察され、この副振動が湾全体で一体的に生じていることが明らかになった。さらに湾東西の平均潮位を比較した結果、2023年8月から12月にかけて湾東部の潮位が西部と比べ約20 cm低下していることが示唆された。福岡湾の開口部が北西側にあることから、冬季の北からの季節風による吹き寄せ効果が湾西部でより大きく作用していた可能性がある。講演時には、海上風や湾外の潮位変動との関係を含めたより詳細な解析結果を示す予定である。