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[HCG25-P07] 食品産業における山梨県と愛知県の窒素排出の比較
日本では近年地震をはじめとする災害時には、井戸を通して地下水を利用する傾向がある。東日本大震災でも、ほとんどの井戸で何らかの揚水手段さえ確保できれば,地震直後から地下水利用が可能であったと推定される(杉田, 2012)など井戸による飲料水への地下水利用の可能性は十分に高まっている。しかし飲料水として使用するには基準値を安定的に下回っている必要がある。山梨県では地下水の硝酸性窒素濃度の基準を超える地域が複数存在し、その要因の一つとして農畜産業が指摘されている(風間, 2002)。
本研究では「食料システム」からなる食品産業における窒素フローを把握することでどのぐらいの窒素流出をおよぼしているのかを都道府県単位で推計することとした。その中でも特に窒素排出量に大きく影響を与えているとされる「畜産業・耕種農業」に焦点を当てた。解析方法は産業連関表(以下、連関表)を用いて金額フローから物質フロー、窒素フローに変換することで各部門における窒素排出量を算出した。それ以外の連関表から収集することが困難なデータについては行政機関によるオープンデータを用いた。
今回着目した食品産業のうち「耕種農業」では自営業が多いこともあり、農家自身で窒素流出の定量的な評価はすることができていない。本研究では「耕種農業」が窒素流出にどのような影響を与えているかについて山梨県と愛知県を比較することで相対的に評価をした。山梨県と愛知県は「畜産業・耕種農業」部門の中における「畜産業」と「耕種農業」の生産額ベースにおける割合に相違がみられた。「畜産業」の県内で占める割合は山梨県で1割程度、愛知県では3割程度である。「畜産業」では家畜ふん尿の廃棄について、法律で定められていることもあり窒素の廃棄に関して「耕種農業」より管理ができているとされている。両者の構成比の違う2県を比較することで産業構造と水環境汚染の関係が見える可能性がある。当日は具体的な数値結果を用いて考察を紹介する。
本研究では「食料システム」からなる食品産業における窒素フローを把握することでどのぐらいの窒素流出をおよぼしているのかを都道府県単位で推計することとした。その中でも特に窒素排出量に大きく影響を与えているとされる「畜産業・耕種農業」に焦点を当てた。解析方法は産業連関表(以下、連関表)を用いて金額フローから物質フロー、窒素フローに変換することで各部門における窒素排出量を算出した。それ以外の連関表から収集することが困難なデータについては行政機関によるオープンデータを用いた。
今回着目した食品産業のうち「耕種農業」では自営業が多いこともあり、農家自身で窒素流出の定量的な評価はすることができていない。本研究では「耕種農業」が窒素流出にどのような影響を与えているかについて山梨県と愛知県を比較することで相対的に評価をした。山梨県と愛知県は「畜産業・耕種農業」部門の中における「畜産業」と「耕種農業」の生産額ベースにおける割合に相違がみられた。「畜産業」の県内で占める割合は山梨県で1割程度、愛知県では3割程度である。「畜産業」では家畜ふん尿の廃棄について、法律で定められていることもあり窒素の廃棄に関して「耕種農業」より管理ができているとされている。両者の構成比の違う2県を比較することで産業構造と水環境汚染の関係が見える可能性がある。当日は具体的な数値結果を用いて考察を紹介する。