[H-DS11] 津波とその予測

[HDS11-P04] 津波シナリオバンクの拡充と津波波形データベースの開発

*近貞 直孝¹ (1.防災科学技術研究所)

キーワード：津波、データベース、JAGURS

我々は，世界中に分散されていて初学者には入手が困難な津波観測波形データを一元的に管理することを目的に，津波波形データベース（TwDB; doi:10.17598/NIED.0024）の構築を進めている．このデータベースは，波源情報データベース，観測波形データベース，計算波形データベースから構成され，過去に発生した津波観測波形データが存在する津波の情報を順次公開している．このデータベースを用いれば沿岸や沖合で観測された津波の観測波形と計算波形を容易に比較することが出来る．しかし，既往の津波だけを対象としているため，例えば津波シナリオバンク（TSB; doi:10.17598/NIED.0026）で公開されている波源等によってどのような津波が生じ得るのかを網羅的に調査することは出来ない．そこで本研究では，地震津波に対する備えをより強固にするため，想定される波源に対して津波波形データベースと比較可能な津波波形と，津波波形データベースでは対象となっていない浸水域の評価が可能となるよう，津波シナリオバンクを拡充する．
津波波形データベースは，JSPS科研費（研究成果公開促進費（データベース）） JP20HP8014の助成を受けて作成したもので， さらにJP21HP8018, JP22HP8018, JP23HP8015の助成を受けて整備中です．本研究の一部は，JSPS科研費JP 20H00294の助成を受けて実施しています．全ての計算は高性能津波計算コードJAGURSを用いて実施しています．