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[HGM03-P03] 河成段丘の形成と山地斜面の形状からみた巨摩山地の地形発達
キーワード:マスムーブメント、下円井-市之瀬断層、火山灰編年、河床縦断形、変動地形
地殻変動や気候変化に応答して山地斜面から生産された土砂は,山地流域内に第四系として保存され,地形発達史を組み立てるのに有用な情報を提供する.演者らは,活断層の近傍に位置し,マスムーブメントによる土砂移動と流水による河川の下刻が主たる地表プロセスである巨摩山地を対象として,地理空間情報解析と地質踏査を行った.巨摩山地には8面に区分される河成段丘が発達しており,その離水年代は,構成層および被覆層中に挟在するテフラおよびその有無に基づいて編まれる.中・高位の段丘群は山地と盆地の地形境界付近に発達しており,低位の段丘群は山地内へと連続して分布する.巨摩山地東面では,御岳第一テフラ(On-Pm1)をはじめ後期更新世のテフラを複数挟む細粒な堆積物が地すべり堆積物に覆われているのが確認された.これらは,山地斜面における土砂生産と流域地形の形状変化を反映しており,後期更新世以降の地形発達を組み立てるうえで重要な過程を捉えていると考えられる.本研究では,巨摩山地における河成段丘の発達と斜面形状の変化について考察し,関連分野の研究者と情報を共有したい.
