17:15 〜 18:45
[MGI31-P10] 紀伊水道沖に設置した孔内間隙圧観測の現状:海底地殻変動成分の高精度抽出に向けて
キーワード:間隙圧、海底地殻変動、南海トラフ
国立研究開発法人海洋研究開発機構は、2023年11月に地球深部探査船「ちきゅう」を用いて紀伊水道沖の海底下約500m地点に孔内観測装置として、間隙圧および光ファイバー歪計を設置した。その後、2023年12月から2024年1月にかけて、東北海洋生態系調査船「新青丸」の航海において、無人探査機(ROV)「ハイパードルフィン」を用いて海底ケーブルを敷設し、孔内観測装置とDONET2を接続した。これにより、南海地震震源想定域において初となる「ゆっくり滑り」のリアルタイム観測を続けている。
孔内の間隙圧データには、海洋擾乱など非地殻変動成分が含まれる。そこで、孔口にある海底水圧計を用いて、適当な係数および時間差を適用して差分を取ることで、海底地殻変動成分を抽出する (Ariyoshi et al., 2021)。我々は、このアルゴリズムをリアルタイム処理に実装し、モニタリング体制を整えた。
本発表では、取得されたデータを紹介すると共に、ノイズ要因となる海洋擾乱の影響や解析処理手法の問題点などについて考察し、海底地殻変動成分の抽出を高精度で行うための品質向上を目指す。
孔内の間隙圧データには、海洋擾乱など非地殻変動成分が含まれる。そこで、孔口にある海底水圧計を用いて、適当な係数および時間差を適用して差分を取ることで、海底地殻変動成分を抽出する (Ariyoshi et al., 2021)。我々は、このアルゴリズムをリアルタイム処理に実装し、モニタリング体制を整えた。
本発表では、取得されたデータを紹介すると共に、ノイズ要因となる海洋擾乱の影響や解析処理手法の問題点などについて考察し、海底地殻変動成分の抽出を高精度で行うための品質向上を目指す。