日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS11] 山の科学

2024年5月27日(月) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:苅谷 愛彦(専修大学文学部環境地理学科)、佐々木 明彦(国士舘大学文学部史学地理学科 地理・環境コース)、奈良間 千之(新潟大学理学部フィールド科学人材育成プログラム)、西村 基志(信州大学 先鋭領域融合研究群 山岳科学研究拠点)

17:15 〜 18:45

[MIS11-P10] 定点カメラを用いた立山西斜面におけるハイマツ及びササ類の分布変化追跡

*岡本 遼太郎1,2小熊 宏之2井手 玲子2 (1.筑波大学、2.国立環境研究所)

キーワード:高山植生、定点カメラ、深層学習、気候変動

高山植生は気候変動に対して脆弱であり、日本においても融雪の早期化や気温上昇に伴ってササ類の拡大やハイマツの伸長が報告されている。特に雪田植生への侵入が問題視されているササ類では、定期的なササ刈りが高山植物の保全に効果的であり、このような対策のためにも植生変化のモニタリングは急務である。発表者らは、低コストに広範囲、高頻度の画像を取得
できるタイムラプスカメラを用いた高山植生分類図の作成手法を開発してきた。タイムラプスカメラは、立ち入りによる植生調査よりも低コストで広範囲をカバーでき、衛星画像や航空写真と比較しても天候の影響を受けにくい点や撮影頻度で優れる。本k研究では、北アルプス立山西斜面を撮影した9年間分のタイムラプスカメラ写真を用いて、ササ類及びハイマツの毎年の分布変化を追跡した。発表では、分布変化に気候条件や融雪時期が与えた影響についても考察する。