17:15 〜 18:45
[MIS11-P11] リモートセンシングに基づく周氷河砂礫斜面の礫移動の空間分布
キーワード:周氷河砂礫斜面、リモートセンシング、差分干渉SAR、UAV、凍結融解作用
周氷河砂礫斜面とは,高山帯の稜線沿いの風衝地に広がる凹凸の少ない平滑な斜面である(小泉,1992).斜面形成には礫移動が重要な役割を果たすとされており,先行研究では礫の移動量と礫径や傾斜などの関係が報告された(例えば,高山地形研究グループ,1978;相馬,1979;岩田,1980).これら研究では,斜面の礫上に描いたペンキラインの変化から礫の移動量が求められた.しかしながら,斜面全体での面的な礫移動の空間分布は明らかでなく,凍結融解作用に対する積雪の影響評価も十分ではない.
そこで本研究では,飛驒山脈でも周氷河砂礫斜面の分布面積が最大である白馬連山の周氷河砂礫斜面において,差分干渉SAR(DInSAR)解析とイメージマッチング解析により礫移動の空間分布と移動する礫の環境要因を調べた.また,礫の移動様式や移動時期を明らかにするため,タイムラプスカメラ(Brinno社製)で60分ごとに撮影した.礫の移動に関与する日周期の凍結融解の影響を検討するため,2か所で地温観測を実施し,0℃を上下する凍結融解の回数を計測した.また,セスナ空撮画像からDSMを作成し,4月と10月の差分から積雪深を求めた.
DInSAR解析とイメージマッチング解析の結果,白馬連山の周氷河砂礫斜面では広範囲で地表面変化が生じていることがわかった.地表面の変化箇所(=礫移動箇所)の空間分布をみると,礫の移動箇所は限定されており,周氷河砂礫斜面全体ではなく積雪が少ない場所で礫移動が確認された.
タイムラプスカメラの観測結果から,日周期の凍結融解作用によって,夜間の地温低下とともに礫が持ち上がり,日中の温度上昇(8時~14時)に伴って礫が斜面下方に移動したことを確認した.地温観測の結果から,積雪の多い場所では凍結融解回数はほとんど生じなかったのに対し,積雪の少ない場所では頻繁に生じていた.
そこで本研究では,飛驒山脈でも周氷河砂礫斜面の分布面積が最大である白馬連山の周氷河砂礫斜面において,差分干渉SAR(DInSAR)解析とイメージマッチング解析により礫移動の空間分布と移動する礫の環境要因を調べた.また,礫の移動様式や移動時期を明らかにするため,タイムラプスカメラ(Brinno社製)で60分ごとに撮影した.礫の移動に関与する日周期の凍結融解の影響を検討するため,2か所で地温観測を実施し,0℃を上下する凍結融解の回数を計測した.また,セスナ空撮画像からDSMを作成し,4月と10月の差分から積雪深を求めた.
DInSAR解析とイメージマッチング解析の結果,白馬連山の周氷河砂礫斜面では広範囲で地表面変化が生じていることがわかった.地表面の変化箇所(=礫移動箇所)の空間分布をみると,礫の移動箇所は限定されており,周氷河砂礫斜面全体ではなく積雪が少ない場所で礫移動が確認された.
タイムラプスカメラの観測結果から,日周期の凍結融解作用によって,夜間の地温低下とともに礫が持ち上がり,日中の温度上昇(8時~14時)に伴って礫が斜面下方に移動したことを確認した.地温観測の結果から,積雪の多い場所では凍結融解回数はほとんど生じなかったのに対し,積雪の少ない場所では頻繁に生じていた.