日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS12] 古気候・古海洋変動

2024年5月29日(水) 13:45 〜 15:15 国際会議室 (IC) (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:山崎 敦子(名古屋大学大学院環境学研究科)、岡崎 裕典(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、長谷川 精(高知大学理工学部)、小長谷 貴志(東京大学大気海洋研究所)、座長:山崎 敦子(名古屋大学大学院環境学研究科)

13:45 〜 14:08

[MIS12-01] 中世温暖期のポリネシアの遠洋航海

★招待講演

*後藤 明1 (1.南山大学人類学研究所)

キーワード:中世温暖期、エルニーニョ、ポリネシア、遠洋航海

人類の太平洋世界への移住は5~6万年前、氷河期におけるスンダランドからサフル大意陸(オーストラリア+ニューギニア島)への移動と、約5000年前に始まったオーストロネシア系集団の台湾から東南アジア、オセアニアへの移動への二段階がった。第二幕の流れで人類集団は3000年前ラピタ土器集団としてメラネシアから西部ポリネシアに至るが、移動を停止した。最新の遺跡年代から再び動き出すのが今から1000年前である。なぜ人類は2000年近くも移動をやめ、さらに再び開始したのか。本講演では考古学、遺伝学などの成果を踏まえ、移住に関するシミュレーション研究、環境認知やウェイファインディング能力の問題、さらに気候変動との関係についての最新成果を概観する。