14:08 〜 14:31
[MIS12-02] 海流の中の島の人類史
★招待講演
キーワード:離島、人類史、海洋狩猟民文化、環境史
礼文島は北海道の北西端に位置する離島である。島の周辺では南北からの海流が交錯し、豊かな漁場として知られてきた。日本列島の人類史の初期段階では南から北へ海流に乗り、縄文人が礼文島を訪れていた。1000年前頃からは、それまでとは逆に北から南へ集団が移住し、海洋民の文化が開花した。これまで我々は、島北部の砂丘上に形成された多層遺跡の調査を通じて、縄文文化終末から近世アイヌ文化期までの連続する人々の活動の歴史を調査してきた。本報告では、これまでの調査によって明らかになった先史集団の生活史と島の環境史との相関について報告したい。