17:15 〜 18:45
[MIS14-P04] 酸性河川水系における放射性セシウム濃度の空間パターン
キーワード:Spatial pattern、Acidic river
原発事故由来の放射性セシウムは、いまだ河川に残留している。セシウムの固相と液相間の配分は、粘土鉱物や陽イオン濃度の影響を受けることが知られているが、pHが著しく低い火山地域上流の河川におけるそれらの挙動は不明なままである。本研究では、2023年10月に、pH、主要陽イオン・陰イオン濃度(例:アンモニウム、硝酸塩、リン酸塩)、浮遊物質、溶存態および懸濁態137Cs濃度を含む、河川水中の137Cs濃度の空間分布と影響因子を調査した。その結果、荒川中流域のpHレベルは、火山源からの酸性支流によって著しく低下し、これらの支流が中和されるにつれて河床に重金属が沈殿することが明らかになった。このプロセスは、固相と液相の間の放射性セシウムの分布に影響を与えていると考えられる。本研究は、この水系における溶存態および懸濁態137Cs濃度の空間的変動に関する洞察を提供し、河川水質の変動の決定要因に関する考察を加えた。