17:15 〜 18:45
[MIS17-P09] れきすけ:カード型歴史資料のための異分野協働型情報共有プラットフォーム、現状と課題
キーワード:歴史資料、分野間連携、情報共有システム、データベース、歴史気候学
自然や人間および社会に関する気象や地震、作物の収穫量などの様々な事象を記述した歴史資料(以降、史料)は、地震学や気候学を始めとした自然科学、人文科学など、多分野の研究に利用されてきた。「れきすけ」はこれらの史料の書誌情報や学術情報だけではなく、研究者の経験や知識も含めた学際的な協働の基に史料を共有することを目指したプラットフォームである。
史料にある情報を利用するには、資料の探査と入手から始まり、手書き文字からデジタルテキストへの変換、当該研究に必要な情報の抽出、さらにそれらを統合したデータセットの構築などが必要である。特に、歴史学者以外の研究者にとって、このデータ構造化を進めることは困難である。
また、これまでどの史料に自身の必要とする情報が記載されているかを知るためには、学会等でその史料について詳しく知っている人に出会うといった偶然性に頼っていた。そこで、史料のどこにどんな情報があるかということだけでもアーカイブし、データベース上で検索できることを目指した。史料情報は正確で精査された情報しか出せないと考えられがちだが、れきすけではより気楽に情報を蓄積することを目指し、「どうやらこの史料にこんなことが書いてあるらしい」という程度の情報を即座に載せていくことに価値を置いている。誰かの頭の中にだけ残っている知識や経験を“残す”ことができるのだ。このように、れきすけは研究者が研究目的のために有用な史料をより容易に特定し入手することを支援し、これまでの研究における史料に関する経験や専門的な知識を共有することを可能にした。
れきすけは、カード形式で史料の情報を載せている。今までは各史料に記載されている情報を全てまとめようとすることが多かったのに対し、れきすけでは1情報1カード方式で1つの史料に対応するさまざまなカードを多少間違っていたとしても作っていく。原資料にはじまり、翻刻データや解析用の統合されたデータなどの様々な形式、多分野における多様な史料やデータに関する情報が記述できるデータベースとなっている。
れきすけは、現在は試験運用中だが、史料情報の検索などを行う一般の利用者や、史料情報のカード作成・登録も行う編集アカウントのマニュアル整備も進めている。れきすけは2018年にプロトタイプを構築し、2019年には現在のれきすけの原型であるversion1を公開した。2020年にはカード型モデルによるデータスキーマを用いたversion2を開発した。2024年には、地名データベースであるGeoLOD(https://geolod.ex.nii.ac.jp/)を利用した地図表示やリンクの充実などに加え、問い合わせフォームの利便性向上を行った。6種(著作、資料、事項、所蔵、地名、参考)の登録カードも合わせて900枚を超え、情報量の充実を図ることができた。今後も歴史気候を研究している高校生や、地域の所蔵館などに勤めている史料の専門家によるカード追加を予定している。
今後はより多くの分野のユーザが利用者としてもカード登録者としても増加することにより、お互いに利用価値の高いサイトになることを目指していく。また、更なるユーザビリティの向上に取り組む。
史料にある情報を利用するには、資料の探査と入手から始まり、手書き文字からデジタルテキストへの変換、当該研究に必要な情報の抽出、さらにそれらを統合したデータセットの構築などが必要である。特に、歴史学者以外の研究者にとって、このデータ構造化を進めることは困難である。
また、これまでどの史料に自身の必要とする情報が記載されているかを知るためには、学会等でその史料について詳しく知っている人に出会うといった偶然性に頼っていた。そこで、史料のどこにどんな情報があるかということだけでもアーカイブし、データベース上で検索できることを目指した。史料情報は正確で精査された情報しか出せないと考えられがちだが、れきすけではより気楽に情報を蓄積することを目指し、「どうやらこの史料にこんなことが書いてあるらしい」という程度の情報を即座に載せていくことに価値を置いている。誰かの頭の中にだけ残っている知識や経験を“残す”ことができるのだ。このように、れきすけは研究者が研究目的のために有用な史料をより容易に特定し入手することを支援し、これまでの研究における史料に関する経験や専門的な知識を共有することを可能にした。
れきすけは、カード形式で史料の情報を載せている。今までは各史料に記載されている情報を全てまとめようとすることが多かったのに対し、れきすけでは1情報1カード方式で1つの史料に対応するさまざまなカードを多少間違っていたとしても作っていく。原資料にはじまり、翻刻データや解析用の統合されたデータなどの様々な形式、多分野における多様な史料やデータに関する情報が記述できるデータベースとなっている。
れきすけは、現在は試験運用中だが、史料情報の検索などを行う一般の利用者や、史料情報のカード作成・登録も行う編集アカウントのマニュアル整備も進めている。れきすけは2018年にプロトタイプを構築し、2019年には現在のれきすけの原型であるversion1を公開した。2020年にはカード型モデルによるデータスキーマを用いたversion2を開発した。2024年には、地名データベースであるGeoLOD(https://geolod.ex.nii.ac.jp/)を利用した地図表示やリンクの充実などに加え、問い合わせフォームの利便性向上を行った。6種(著作、資料、事項、所蔵、地名、参考)の登録カードも合わせて900枚を超え、情報量の充実を図ることができた。今後も歴史気候を研究している高校生や、地域の所蔵館などに勤めている史料の専門家によるカード追加を予定している。
今後はより多くの分野のユーザが利用者としてもカード登録者としても増加することにより、お互いに利用価値の高いサイトになることを目指していく。また、更なるユーザビリティの向上に取り組む。