17:15 〜 18:45
[MIS17-P11] 古記録による夏季気温復元の信頼性の評価を目的とした大規模大気現象と樹木年輪セルロース酸素同位体比の関係についての考察

キーワード:気候復元、古記録、樹木年輪酸素同位体比
気象観測データが存在する以前の気候変動を復元する試みとして,古記録に記された天候記錄の中の晴天日数や降水日数に基づいた気温変動の復元を目指す研究が過去になされている. 一方,樹木年輪に含まれるセルロースの酸素同位体比の時系列データは,樹木の成長する季節である夏季の降水量と良い相関を持つことが示されている. 本時系列は,1年単位での年代決定が可能である時間分解能の細かいデータが,先史・古代を含む長期間のスケールにおいて連続して高い精度で得られるという特徴があり,気候復元に適している.
本研究では,古記録から復元された気温変動の信頼性の評価方法として,年輪セルロース酸素同位体比データを利用可能であるかを調査する. 衛星観測データおよび再解析データが利用できる1979年から2005年の期間において,総観規模および惑星規模の大気現象が年輪セルロースの時系列をどのように決定するかについて議論する. 次に,古記録の天候記録からの気温復元の手法について,時系列データの特徴量を保持することが可能であるモデルを検討し,その有用性を年輪セルロース酸素同位体比を用いて検証する. 具体的には,古記録から復元された気温変動が,年輪セルロース酸素同位体比の時系列から復元された大規模大気現象の様子と,整合的に説明されるかどうかを明らかにする.
本研究では,古記録から復元された気温変動の信頼性の評価方法として,年輪セルロース酸素同位体比データを利用可能であるかを調査する. 衛星観測データおよび再解析データが利用できる1979年から2005年の期間において,総観規模および惑星規模の大気現象が年輪セルロースの時系列をどのように決定するかについて議論する. 次に,古記録の天候記録からの気温復元の手法について,時系列データの特徴量を保持することが可能であるモデルを検討し,その有用性を年輪セルロース酸素同位体比を用いて検証する. 具体的には,古記録から復元された気温変動が,年輪セルロース酸素同位体比の時系列から復元された大規模大気現象の様子と,整合的に説明されるかどうかを明らかにする.