日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-ZZ その他

[M-ZZ46] ジオパークとサステナビリティ(ポスター)

2024年5月26日(日) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、郡山 鈴夏(フォッサマグナミュージアム)

17:15 〜 18:45

[MZZ46-P07] 自然災害伝承碑を活用した防災教育からジオパークへ

*佐藤 公1,2 (1.磐梯山噴火記念館、2.磐梯山ジオパーク協議会)

キーワード:自然災害伝承碑、防災教育、ジオパーク

福島市街地から西側約20kmに吾妻山がある。
この火山が1893(明治26)年に噴火をし、火山の研究者が噴石に当たり2人亡くなり、その慰霊碑(以下Aと表記)が登山道の近くにある。
昨年の8月に福島市民から、市街地の中心部にある信夫山の公園にも2人の慰霊碑(以下Bと表記)があることを教えられた。
Aまでは福島市街地から約1時かかるが、Bまでは短時間で行くことが可能である。そこで、Bを学区とする福島市立第4小学校と第4中学校で出前授業を実施した。11月に実施した小学校では1時間の座学の後、慰霊碑まで出向きそこで解説をした。「君たちは先ほど授業で吾妻山の話を聞いているから、この慰霊碑の意味は理解できるよね」と話すと子どもたちはうなずいた。「吾妻山の噴火を知らない大人が来た時に、どうやってその災害を伝えたらいいだろうか」と質問をしたが、答えは返ってこなかった。そこで、「先ほどの授業で使った写真や図を入れ込んだ看板の案を見せて、「こんな看板があったら、だれでも理解できるよね」と言うと、うなずいた。12月には中学校で出前授業を実施したが、慰霊碑までは行けなかった。その後、福島市内で大人向けの吾妻山の講座で、Bについてお話を何度かしている。
現在、福島市役所に二つの働きかけをしている。一つは、Bのそばに解説看板の設置をすること。もう一つは、こういった慰霊碑を国土地理院の自然災害伝承碑に登録の申請をすること。現地を訪れなくとも、国土地理院のインターネットの地図から信夫山を検索し、自然災害伝承碑のマークを見つけ、クリックすることで、過去の災害を学ぶことができるようになる。
こういった大地を学ぶ活動はジオパークでは通常行われている。吾妻山がある福島市でも、磐梯山ジオパークを参考に、ぜひジオパークを目指すよう強く働きかけていきたい。