[O-08] 高校生ポスター発表

[O08-P09] 太陽電波の観測と黒点との関係性

*望月 琉伊¹、*枝本 拓也¹、*宮津 歩¹、*望月 琉伊¹、*森永 雄斗¹ (1.静岡県立磐田南高等学校)

キーワード：太陽電波、黒点

動機・目的　本校では長年天体望遠鏡を用いた黒点観測をおこなっていた。黒点は太陽活動の指標となっており、黒点観察をおこなっているなかで、他にも太陽活動の指標となっているものがないのか気になって調べたところ、宇宙線と太陽電波との存在を知った。太陽電波とは、太陽が広い波長域にわたって放射している電波である。本研究ではBSｱﾝﾃﾅを用一般に波長10.7cmの太陽電波と黒点数は同様の変化を示すことが知られている。BSｱﾝﾃﾅにより波長2.5cmの太陽電波を観測し、その値と黒点数との相関性を調べることを目的とする。
手法　実験1　BSｱﾝﾃﾅ、ﾌﾞ-ｽﾀ-、検波器、PASCO(PS-2100)を用いて太陽電波を観測する。太陽(真南)に向けた時と真北に向けた時の値を比較し太陽電波の観測の有無を確認する。
　実験2　　太陽電波の実験ﾃﾞ-ﾀの値と黒点相対数を用いることで関係性を調べるものとする。検出した太陽電波は機器により電圧に変換し測定する。赤道儀が太陽をうまく追尾できなかったため、確実に太陽電波を検出できていると考えられる観測開始時の値をその日の太陽電波の値とする。黒点数は国立天文台の太陽ﾃﾞ-ﾀﾍﾞ-ｽに掲載されているﾃﾞ-ﾀを用いるものとする。
仮説　実験1　太陽の方向に向けることにより値が上昇し、太陽電波を観測できる。
実験2　黒点数と波長10.7cmの太陽電波は同様の変化を示すため、波長2.5cmの太陽電波においても同様の変化を示す。また正の相関を示す。
結果　実験1　太陽に向けた際は1.81V、真北に向けた時は0.34Vとなった。
実験2　太陽電波については計測開始後すぐに値が減少した。
　　　相関関係が-0.55033となり、負の相関がみられた。これは、我々の仮説に反するものである。
考察　実験1　十分に値の差が見られたため太陽電波を観測できていると考えられる。
実験2　結果が仮説に反している点について、ﾃﾞ-ﾀ数の不足と日中の太陽電波の値の変化を考慮できていないことが原因と考えられる。
参考文献　「太陽電波の観測」慶応義塾高校　宇宙学科
　　　　　名古屋大学宇宙地球環境研究所