日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

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[O-08] 高校生ポスター発表

2024年5月26日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球惑星科学系 岩石鉱物学研究室)、久利 美和(文部科学省)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

13:45 〜 15:15

[O08-P41] 豪州NSW州南東部沿岸Bingi Bingi Point複合深成岩体の形成過程

*横山 桃子1、*永野 千世1、*稲本 晴香1、*陰山 麻愉1、*松田 理沙1、*藤田 詩桜1 (1.兵庫県立姫路東高等学校)

キーワード:閃緑岩捕獲岩、一連のマグマ活動、熱水残液、波状累帯構造

豪州ニュー・サウス・ウエールズ州のシドニーから南へ約350kmの場所にある、ユーロボダラ国立公園の東に隣接するBingi Bingi Point海岸線沿いの、周囲約1.5km(南緯36°00’ 50”、東経150°09’ 22”)を中心に露頭調査を19名で5日間にわたって行った。
 本地域は主に閃緑岩からなっており、それをトーナル岩が包み込むように固結している。閃緑岩にはトーナル岩の支脈が多くみられるほか、トーナル岩中にブロック状や紡錘形に周囲が融解した形状の閃緑岩片が捕獲岩として一方向に配列している。これらを同質マグマから生じたアプライト脈が貫入している。これらは一連のマグマ活動であったと考えられる。最後に、これら深成岩類の割れ目に沿って玄武岩が2回に分けて貫入した。
 現在、採取した試料の研磨剥片を作成して偏光顕微鏡で観察しているところである。今後京都大学との連携によって鉱物のEPMA分析を行い、マグマ分化過程を明らかにする予定である。すでにトーナル岩からの熱水支脈の影響を受けている閃緑岩の角閃石から、c軸に垂直な面で発達した波状累帯構造を複数発見している。角閃石の波状累帯構造は熱水残液が循環した環境を示す指標として知られており、これをもとにしてマグマ分化末期の環境を明らかにすることができると期待される。