日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

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[O-08] 高校生ポスター発表

2024年5月26日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球惑星科学系 岩石鉱物学研究室)、久利 美和(文部科学省)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

13:45 〜 15:15

[O08-P78] 現地調査に基づく伊豆諸島三宅島大路池の水質

*児嶋 悠斗1 (1.市川学園市川高等学校)

キーワード:地下水、水質調査、三宅島

太平洋北西部,伊豆諸島三宅島の南部に位置する大路池は,約2300年前の噴火口にできた淡水の湖沼である.地表から池に流出入する河川はない(新井ほか,1977).大路池については,新井ほか(1977)や小寺ほか(2014),佐藤ほか(2020)などにより,水質に関する研究が行われてきた.しかし,大路池の水理特性について,その日変化や季節変化に着目した研究は筆者の知る限りない.そこで本研究では大路池の水理特性を明らかにすることを目的として,2023年8月2日及び2024年1月17日に水質調査を行った.

現地では2023年8月2日に池畔の2か所で,2024年1月17日には6か所で水質調査を行った.計測項目は気温,水温,pH,RpH,電気伝導度,Na+の6項目である.加えて大路池の北側にある桟橋では気温と水温の定点観測を1月17朝から18日朝まで行った.2024年1月の計測結果から,水温,pH,電気伝導度,Na+について等値線図を作成した(図1).

その結果,時刻によらずpH,電気伝導度,Na+の値が,大路池内の他の観測地点より明瞭に低くなった.このことは,大路池の北西部では何らかの理由により水中のイオンの割合が減っていることを示している.この原因は今後も調査を継続して考えていくが,現在の仮説は,北西部に生えている水草による水の中のイオン量の低下や,大路池周辺の地形や海洋の影響などを考えている.