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[O08-P82] 「第22回地震火山地質こどもサマースクールin平塚」での発見と日本における地震活動と地形についての考察
キーワード:地震火山地質こどもサマースクール、地形
1 概要
私は2023年8月、第22回地震火山地質子供サマースクールin平塚(以下、サマスク)に参加した。また、サマスクで学んだことを関連させ、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震、近年に発生が示唆されている南海トラフ巨大地震と地形との関係についての考察をした。また、関東地震から100年以上経過した日本における地震活動やその被害についての防災教育について考える。
2サマスクでの活動内容
私はサマスクに参加し、湘南平塚の海と大正関東地震をテーマに、湘南での2日間のフィールドワークと実験学習及び、3月に開催された、江の島でのフィールドワークを通し、仲間とともに考えを深めた。そこで私は、照ヶ崎海岸(神奈川県大磯町)と湘南平(同県平塚市)の山頂近辺の露頭で丸みを帯びた石を確認したこと、湘南平は山であるが山頂は平らであることから、湘南平は元は海底の地形であり、地震により何度も地盤が隆起したことで現在のような地形ができたのだと考えた。そして、現在の地形は地震と密接な関係をもつことを学んだ。
3 令和6年能登半島地震と能登半島の地形との関係について
サマスクでの学びをもとに、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震と、能登半島の地形について考察する。令和6年能登半島地震は2024年1月1日16時10分、石川県能登地方深さ約15kmを震源とするマグニチュード(以下、Mと記す。)7. 6の地震である。この地震により、石川県輪島市、同県志賀町で震度7を観測した。また北海道から九州にかけて津波を観測した。地殻変動としては、石川県輪島市西部で最大4m程度の隆起を観測した。(日本地質学会より)
この地震と大正関東地震における共通点は、地盤が隆起したことだ。サマスクでは平塚市の湘南平の山頂付近の露頭で丸みを帯びた石の含まれた地層を確認し、幾度の地震による隆起によって、現在の地形ができていると学んだ。令和6年能登半島地震では最大4m程度の隆起を観測していることと、能登半島は中央が一番標高が高く、沿岸部に向かうにつれて標高が段々と低くなっている図1)。これらのことから、能登半島も湘南平と同じように、地震によって地盤が隆起してできたのではないかと考えられる。能登半島地域で平らな地形、丸い石が発見できるかどうか確かめてみたい。
図1 能登半島近辺の地図(国土地理院地図より)
4 南海トラフ巨大地震と震源域に近い陸地の地形との関係ついて
サマスクでは関東を中心とした地形、地震について学んだ。一方で、私が住んでいる西日本では、近年、南海トラフ巨大地震の発生が 示唆されている。サマスクでの学びをもとに、南海トラフ巨大地震について、考えた。
南海トラフ巨大地震は大正関東地震と同じ、プレート境界地震である。同じような地震としては2011年に発生した東日本大震災が挙げられる。南海トラフ巨大地震は想定される最大MはM9.1で、東日本大震災を超える規模である。
以下の図2は、高知県室戸岬近辺と和歌山県潮岬周辺の地図である。この地域は南海トラフ巨大地震の震源域にあたり、且つ1946年の昭和南海地震、1854年の安政南海地震の震源にあたるとされている場所である。等高線について着目すると、先程の能登半島の地図と同じように、山間部から沿岸部に向かうにつれて段々と標高が下がっている。また潮岬、室戸岬、足摺岬(高知県)では、地盤の隆起活動による海岸段丘が発達している(J-STAGEより)。このことから、南海トラフ巨大地震の震源域に近い陸地では地震による地盤の隆起活動が幾度と起き、現在のような地形になったと考える。また、次の南海トラフ巨大地震でも同じような隆起活動が見られるのではないかと考える。今後の展望として、活断層地震とプレート境界地震で見られる地盤の隆起活動の相違点、特徴について調べていきたい。
図2 和歌山県潮岬と、高知県室戸岬周辺(国土地理院地図)
5 サマスクで様々な年代に触れて感じたこと
私がこのサマスクに参加した際に、このような話をしてくれた小学生がいた。「友達に9月1日がなんの日か聞いたら、みんなわからないって言っていた。」これは、平塚市に住んでいる参加者から聞いた。このことから、地震発生から100年経過した現在では、子どもたちに大正関東地震が防災の日につながっているということがあまり知られていないことに気付かされた。日本は4枚のプレートに囲まれた、地震が多く発生する国である。日本で生きるということは地震と共存していくことが第一であると私は考えている。現在、日本では南海トラフ巨大地震を初め、多くの地震の発生が示唆されている。そのような自然災害から自らの命を守るためにも、過去に起きた地震を風化させないような防災教育を実施する必要があると、私は考えた。
私は2023年8月、第22回地震火山地質子供サマースクールin平塚(以下、サマスク)に参加した。また、サマスクで学んだことを関連させ、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震、近年に発生が示唆されている南海トラフ巨大地震と地形との関係についての考察をした。また、関東地震から100年以上経過した日本における地震活動やその被害についての防災教育について考える。
2サマスクでの活動内容
私はサマスクに参加し、湘南平塚の海と大正関東地震をテーマに、湘南での2日間のフィールドワークと実験学習及び、3月に開催された、江の島でのフィールドワークを通し、仲間とともに考えを深めた。そこで私は、照ヶ崎海岸(神奈川県大磯町)と湘南平(同県平塚市)の山頂近辺の露頭で丸みを帯びた石を確認したこと、湘南平は山であるが山頂は平らであることから、湘南平は元は海底の地形であり、地震により何度も地盤が隆起したことで現在のような地形ができたのだと考えた。そして、現在の地形は地震と密接な関係をもつことを学んだ。
3 令和6年能登半島地震と能登半島の地形との関係について
サマスクでの学びをもとに、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震と、能登半島の地形について考察する。令和6年能登半島地震は2024年1月1日16時10分、石川県能登地方深さ約15kmを震源とするマグニチュード(以下、Mと記す。)7. 6の地震である。この地震により、石川県輪島市、同県志賀町で震度7を観測した。また北海道から九州にかけて津波を観測した。地殻変動としては、石川県輪島市西部で最大4m程度の隆起を観測した。(日本地質学会より)
この地震と大正関東地震における共通点は、地盤が隆起したことだ。サマスクでは平塚市の湘南平の山頂付近の露頭で丸みを帯びた石の含まれた地層を確認し、幾度の地震による隆起によって、現在の地形ができていると学んだ。令和6年能登半島地震では最大4m程度の隆起を観測していることと、能登半島は中央が一番標高が高く、沿岸部に向かうにつれて標高が段々と低くなっている図1)。これらのことから、能登半島も湘南平と同じように、地震によって地盤が隆起してできたのではないかと考えられる。能登半島地域で平らな地形、丸い石が発見できるかどうか確かめてみたい。
図1 能登半島近辺の地図(国土地理院地図より)
4 南海トラフ巨大地震と震源域に近い陸地の地形との関係ついて
サマスクでは関東を中心とした地形、地震について学んだ。一方で、私が住んでいる西日本では、近年、南海トラフ巨大地震の発生が 示唆されている。サマスクでの学びをもとに、南海トラフ巨大地震について、考えた。
南海トラフ巨大地震は大正関東地震と同じ、プレート境界地震である。同じような地震としては2011年に発生した東日本大震災が挙げられる。南海トラフ巨大地震は想定される最大MはM9.1で、東日本大震災を超える規模である。
以下の図2は、高知県室戸岬近辺と和歌山県潮岬周辺の地図である。この地域は南海トラフ巨大地震の震源域にあたり、且つ1946年の昭和南海地震、1854年の安政南海地震の震源にあたるとされている場所である。等高線について着目すると、先程の能登半島の地図と同じように、山間部から沿岸部に向かうにつれて段々と標高が下がっている。また潮岬、室戸岬、足摺岬(高知県)では、地盤の隆起活動による海岸段丘が発達している(J-STAGEより)。このことから、南海トラフ巨大地震の震源域に近い陸地では地震による地盤の隆起活動が幾度と起き、現在のような地形になったと考える。また、次の南海トラフ巨大地震でも同じような隆起活動が見られるのではないかと考える。今後の展望として、活断層地震とプレート境界地震で見られる地盤の隆起活動の相違点、特徴について調べていきたい。
図2 和歌山県潮岬と、高知県室戸岬周辺(国土地理院地図)
5 サマスクで様々な年代に触れて感じたこと
私がこのサマスクに参加した際に、このような話をしてくれた小学生がいた。「友達に9月1日がなんの日か聞いたら、みんなわからないって言っていた。」これは、平塚市に住んでいる参加者から聞いた。このことから、地震発生から100年経過した現在では、子どもたちに大正関東地震が防災の日につながっているということがあまり知られていないことに気付かされた。日本は4枚のプレートに囲まれた、地震が多く発生する国である。日本で生きるということは地震と共存していくことが第一であると私は考えている。現在、日本では南海トラフ巨大地震を初め、多くの地震の発生が示唆されている。そのような自然災害から自らの命を守るためにも、過去に起きた地震を風化させないような防災教育を実施する必要があると、私は考えた。