日本地球惑星科学連合2024年大会

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[O-08] 高校生ポスター発表

2024年5月26日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球惑星科学系 岩石鉱物学研究室)、久利 美和(文部科学省)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

13:45 〜 15:15

[O08-P99] 被災者と防災当局からのヒアリングと現地調査をもとにした、台風襲来時の避難計画の立案:高知県室戸市の事例

*丁野 晃輔1、*坂本 昴琉1、*丸田 絢翔1、*森本 早紀1 (1.高知県立室戸高等学校)

キーワード:気象

室戸市を含む高知県は台風常習地帯として知られている。重伝建地区でもある吉良川町の伝統的な家屋に見られる「いしぐろ」や、高岡地区のコンクリート壁に見られるように、昔から室戸の住民は台風に備えてきた。例えば、「室戸」の名前がついた1934年の室戸台風では現在の室戸市に含まれる地域で死者・行方不明者99名を出すなど、非常に大きな被害をもたらした。また、1959年の伊勢湾台風や1961年の第二室戸台風などでも室戸市内には大きな被害が発生した。平成に入っても、室戸市内では死傷者が発生する大きな台風の被害が生じている。2004年の台風23号では、室戸市の菜生地区で台風の高波によって防潮堤が破損し、飛散したコンクリート片が家屋11棟を損壊、住民3名が死亡した。室戸では数十年内に発生が確実視されている南海トラフ地震の被害が声高に叫ばれているが、台風による被害も、室戸市の持続可能な発展を考える上で、非常に大きな脅威となっている。

そこで本研究では、台風襲来時に的確に避難するための避難計画の立案を目的として調査を行った。まず、室戸市の防災対策課の担当者に聞き取り調査を行い、台風襲来時の室戸市の避難計画について情報を収集した。次に2004年の台風23号の被災者から、台風襲来前後の様子や、被災後の状況について聞き取りを行った。さらに発表者らはそれぞれの自宅から最寄り避難所までの避難ルートを実際に歩き、移動の距離や時間を計測するとともに、避難ルート周辺で想定される台風発生時の危険性を検証した。本研究ではこれらの結果をふまえ、台風襲来時に的確に避難するために立案した避難計画を報告する。