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[SCG54-15] MERMAIDで検出された2022年トンガ火山噴火に伴うT-phase解析
キーワード:フンガトンガ、MERMAID、Tフェーズ
2022年1月15日04:14:45UTCにフンガトンガ-フンガハアパイで大規模な噴火が発生した。この噴火の前後、04:00-04:30UTC間に何度も噴火が起きていることがわかっており(Tarumi et al., 2023)、これらの噴火によるさまざまな副次的な現象(世界中で記録されている地震波形、大気波、気象津波)が世界的に観測されている(Matoza et al., 2022)。そして、この一連の噴火で発生したT波が複数のMERMAID とチリ沖International Monitoring System(IMS)のhydrophone triplet H03N, H03Sで観測されている。観測機器MERMAIDは、地球深部内部構造を求めることを目的に高周波 (~1 Hz) P 波から海底で変換された水中音波をハイドロフォンで観測し、その波形データを衛星通信で準リアルタイムで送信する自律型フロートである。そしてMERMAIDは、地震P波を準リアルタイムに自動的に送信するシステムを有する一方で、自動的に送信されなかった期間でも陸上からのリクエスにより指定の期間のデータを切り出すための連続データも約1年間分保存している。我々は南太平洋で稼働している約50 台のMERMAIDから噴火によるT波が観測された約1時間長のデータをリクエストにより入手した。T波で捉えられたフンガトンガ-フンガハアパイの噴火は最大振幅を伴う第2フェーズ、その前の単発のイベントが繰り返される第1フェーズ、第2フェーズ後高振幅が連続的に継続する第3フェーズに分けられ、地震計で捉えられた特徴と異なる様相を示している。今回MERMAIDとIMSのハイドロフォンデータのエンベロープ波形を用いて相関法により各フェーズの2観測点間の走時差を測定し、各フェーズに対して、走時差データからT波源を求めた。