09:15 〜 09:30
[SGD01-12] 水槽実験によるGNSS-A観測音響機器の角度特性調査とSGO-A観測点
キーワード:GNSS-A、SGO-A、水槽実験、音響信号読み取り
海上保安庁ではGNSS-音響測距結合方式(以下GNSS-Aと書く)を用いた海底地殻変動観測を20年以上にわたって実施してきた. 2024年2月現在海上保安庁では,27点からなる海底地殻変動観測網(SGO-A)を日本海溝及び南海トラフを中心に展開している.
GNSS-A観測は,GNSS観測と比較すると観測精度向上のための研究が遅れている部分も多い.ここでは,GNSS-Aにおける観測誤差のうち,音響測距における海上局(トランスデューサー)及び海底局(ミラートランスポンダー)の特性について取り扱う.このような機器に依存する誤差には,GNSS観測においてはすでに,アンテナオフセットとPCV(Phase Center Variation)補正として広く知られており,補正データも公開されている.
GNSS-A観測における機器に依存する誤差については,Honsho et al.,(2021)によって,海上局が海底局から受け取る音波の波形が,2局の位置関係(海上局真下方向から海底局までの角度)によって異なることが指摘されている.海上保安庁が用いる機器についても同様に角度特性が存在することが2022年10月に行った東京大学生産技術研究所海洋工学水槽での実験により確認された(永江ほか,JpGU 2023).この実験により,実観測では得られないノイズの少ない波形を得ることができ,吉住ほか(測地学会 2023)では,この波形を用いて音響信号の重畳の再現を行い歪みの原因究明を行った.
一方でこの実験では,角度による波形の違いを詳細に検討することができておらず,角度のバリエーションは5種類ほどしかない.そこで,我々は2024年2月に国立研究開発法人海洋研究開発機構の超音波水槽装置を用いて,詳細な角度特性についての調査を行った.
この実験では,全球型の音響素子が発信する音波を,トンピルズ・円筒・半球型の3種類のトランスデューサーでそれぞれ受信した.トランスデューサーを5度ずつ回転させながら音波の送受信を行うことで,受信波形の角度・機器ごとの特性を調査した.本発表では,今回の実験で得られた成果を報告する.
また,永江ほか(地震学会,2023)では,SGO-A観測点の新しい音響信号読み取り方法についての検討を行い,その方法に基づいてASZ1観測点における測位解を示した.複数の観測点に同様の手法を適用し,手法の妥当性について考察を行う.
GNSS-A観測は,GNSS観測と比較すると観測精度向上のための研究が遅れている部分も多い.ここでは,GNSS-Aにおける観測誤差のうち,音響測距における海上局(トランスデューサー)及び海底局(ミラートランスポンダー)の特性について取り扱う.このような機器に依存する誤差には,GNSS観測においてはすでに,アンテナオフセットとPCV(Phase Center Variation)補正として広く知られており,補正データも公開されている.
GNSS-A観測における機器に依存する誤差については,Honsho et al.,(2021)によって,海上局が海底局から受け取る音波の波形が,2局の位置関係(海上局真下方向から海底局までの角度)によって異なることが指摘されている.海上保安庁が用いる機器についても同様に角度特性が存在することが2022年10月に行った東京大学生産技術研究所海洋工学水槽での実験により確認された(永江ほか,JpGU 2023).この実験により,実観測では得られないノイズの少ない波形を得ることができ,吉住ほか(測地学会 2023)では,この波形を用いて音響信号の重畳の再現を行い歪みの原因究明を行った.
一方でこの実験では,角度による波形の違いを詳細に検討することができておらず,角度のバリエーションは5種類ほどしかない.そこで,我々は2024年2月に国立研究開発法人海洋研究開発機構の超音波水槽装置を用いて,詳細な角度特性についての調査を行った.
この実験では,全球型の音響素子が発信する音波を,トンピルズ・円筒・半球型の3種類のトランスデューサーでそれぞれ受信した.トランスデューサーを5度ずつ回転させながら音波の送受信を行うことで,受信波形の角度・機器ごとの特性を調査した.本発表では,今回の実験で得られた成果を報告する.
また,永江ほか(地震学会,2023)では,SGO-A観測点の新しい音響信号読み取り方法についての検討を行い,その方法に基づいてASZ1観測点における測位解を示した.複数の観測点に同様の手法を適用し,手法の妥当性について考察を行う.