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[SGD01-13] 航空重力、地上重力及び重力異常グリッドデータの公開
キーワード:重力、航空重力測量、JGSN2016、重力異常、ジオイド
国土地理院は、日本国内に等しく正確な重力値を提供することを目的に、全国で重力測量を行っている。得られた重力値は、標高の基準となるジオイド・モデルの構築、計量機器の校正、地下構造の探査など社会で広く利用されている。
近年の衛星測位技術の発展により、衛星測位による標高決定の重要性が高まっており、これを実現するためにはこれまでよりも高精度なジオイド・モデルが必要不可欠である。このような背景から、国土地理院は、新たな標高の基準となる精密重力ジオイドを構築するため、航空重力測量及びJGSN2016地上重力データの整備を行い、これを基に日本全国の重力異常グリッドデータを作成した。2024年1月時点の計画では、航空重力データ、JGSN2016地上重力データ及び重力異常グリッドデータは2023年度中に公開する予定である。本発表では、これらの公開するデータの詳細や精度評価について報告する。
航空重力データは、2019年度から2023年度に一部離島を除く全国において、高度1,500 ~5,000 mを飛行して取得した重力値である。航空重力データの精度は、クロスオーバー検定による内部評価で約0.9 mGal、地上・船上・衛星アルティメトリ重力場モデル等の地表重力データとの比較による外部評価で約1.5 mGalであった。
JGSN2016地上重力データは、二種類のデータで構成されている。一つ目は、「日本重力基準網1975」に準拠した二等重力点約13,000点の重力値を、「日本重力基準網2016 (JGSN2016)」と整合するように変換した重力値である。変換の精度は、交差検定による外部評価で約0.04 mGalであった。二つ目は、航空重力測量が未実施の離島及び陸上の重力データの空白域において、2021年度から2023年度に行った地上重力測量で取得した重力値である。約600点で実施し、複数台での観測による器械間較差の許容範囲を0.1 mGalと設定して測量した。
重力異常グリッドデータは、航空重力データ、JGSN2016地上重力データ、船上重力データ、衛星アルティメトリ重力場モデル等を用いて、Forsberg (1987)による共分散関数モデルを用いた最小二乗コロケーション法により作成した。このデータは、精密重力ジオイドの計算に使用するだけでなく、2023年度公開予定の「重力値推定計算サイト」にも使用している。重力値推定計算サイトでは、単純ブーゲー重力異常グリッドデータを用いて、任意の地点における重力値を推定する。基準及び一等重力点において、単純ブーゲー重力異常グリッドデータから推定した重力値と重力点の測量成果との差は、標準偏差で約1~2 mGalとなった。
近年の衛星測位技術の発展により、衛星測位による標高決定の重要性が高まっており、これを実現するためにはこれまでよりも高精度なジオイド・モデルが必要不可欠である。このような背景から、国土地理院は、新たな標高の基準となる精密重力ジオイドを構築するため、航空重力測量及びJGSN2016地上重力データの整備を行い、これを基に日本全国の重力異常グリッドデータを作成した。2024年1月時点の計画では、航空重力データ、JGSN2016地上重力データ及び重力異常グリッドデータは2023年度中に公開する予定である。本発表では、これらの公開するデータの詳細や精度評価について報告する。
航空重力データは、2019年度から2023年度に一部離島を除く全国において、高度1,500 ~5,000 mを飛行して取得した重力値である。航空重力データの精度は、クロスオーバー検定による内部評価で約0.9 mGal、地上・船上・衛星アルティメトリ重力場モデル等の地表重力データとの比較による外部評価で約1.5 mGalであった。
JGSN2016地上重力データは、二種類のデータで構成されている。一つ目は、「日本重力基準網1975」に準拠した二等重力点約13,000点の重力値を、「日本重力基準網2016 (JGSN2016)」と整合するように変換した重力値である。変換の精度は、交差検定による外部評価で約0.04 mGalであった。二つ目は、航空重力測量が未実施の離島及び陸上の重力データの空白域において、2021年度から2023年度に行った地上重力測量で取得した重力値である。約600点で実施し、複数台での観測による器械間較差の許容範囲を0.1 mGalと設定して測量した。
重力異常グリッドデータは、航空重力データ、JGSN2016地上重力データ、船上重力データ、衛星アルティメトリ重力場モデル等を用いて、Forsberg (1987)による共分散関数モデルを用いた最小二乗コロケーション法により作成した。このデータは、精密重力ジオイドの計算に使用するだけでなく、2023年度公開予定の「重力値推定計算サイト」にも使用している。重力値推定計算サイトでは、単純ブーゲー重力異常グリッドデータを用いて、任意の地点における重力値を推定する。基準及び一等重力点において、単純ブーゲー重力異常グリッドデータから推定した重力値と重力点の測量成果との差は、標準偏差で約1~2 mGalとなった。