日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD01] 測地学・GGOS

2024年5月31日(金) 09:00 〜 10:15 303 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:松尾 功二(国土地理院)、横田 裕輔(東京大学生産技術研究所)、三井 雄太(静岡大学理学部地球科学科)、座長:小川 拓真(国土地理院)、永江 航也(海上保安庁海洋情報部)

09:45 〜 10:00

[SGD01-14] RINEX前処理ソフトウェア「RINGO」新バージョンの公開について

*川元 智司1、髙松 直史1、熊谷 光起1、阿部 聡1 (1.国土交通省国土地理院)

国土地理院では、マルチGNSSデータに対応したRINEXデータ前処理ソフトウェア「RINGO」を開発し、2023年3月に公表した。編集、品質チェック、クロックジャンプ補正、電離層高次電補正、BINEXファイル及びRTCMファイルの変換、RINEXファイルの対話型ビューアなど様々な機能を備えている。また、最新の形式であるRINEX 4.00にも対応しているほか、これまでのRINEX 2.xx、RINEX 3.0xにも対応している。RINEX 3.0xやRINEX 4.00形式に対応した前処理ソフトウェアは非常に限られている中、公開したRINGOは最新のRINEX形式のデータの普及にも貢献することが期待できる。

RINGOについては、初期バージョンの公開後、新しいバージョンを公表した。様々なバグ修正やユーザーからの要望を取り込んでいる。新しい機能をいくつか挙げると、
・Windows PowerShellにおけるWildcardのサポート
・Compact RINEX (Hatanaka RINEX)の直接読み込み
・最新のRINEX 4.01のサポート
・RINEXデータのcsvファイルへの変換機能(新コマンド「rnxcsv」の追加)
・いくつかの誤った形式のRINEXファイルの読み込み

RINGOのダウンロード状況を見ると、windows版のダウンロード数が最も多く、そのため、Windows PowerShellへのサポート強化のため、wildcardのサポートを加えた。また、Compact RINEX形式の直接読込に対応した。これまでは、外部コマンドとして「CRX2RNX」をインストールする必要があったが、これによりソフトウェアの可搬性が向上した。さらに、新コマンド「rnxcsv」を追加した。この機能は、RINEXファイルをcsvファイルに変換することができる。これによって、利用者はRINEXファイルの確認や可視化、解析を容易に行うことができる。

RINGOは国土地理院ホームページにて公開している。今後も引き続き機能強化に取組んでいく予定である。本ソフトウェアに対する意見やバグ報告等を歓迎する。