[S-TT35] 合成開口レーダーとその応用

[STT35-01] PIXELのこれまでの取り組みと今後について

★招待講演

*木下 陽平¹、古屋 正人²、青木 陽介³、小澤 拓⁴、田中 明子⁵、福島 洋⁶、安藤 忍⁷、高田 陽一郎²、奥山 哲⁷ (1.筑波大学、2.北海道大学、3.東京大学、4.防災科学技術研究所、5.産業技術総合研究所、6.東北大学、7.気象庁気象研究所)

キーワード：InSAR、地表変動

InSAR研究コミュニティPIXEL (PALSAR Interferometry Consortium to Study our Evolving Land surface) は東京大学地震研究所特定共同研究（B）を枠組みとして設立された研究グループである。PIXELには国内の大学や研究機関に在籍する研究者および学生が多数参画しており、地表変動に関係した様々な現象や解析技術そのものを対象とした研究が推し進められている。
PIXELが我々にもたらした貢献は多岐にわたるものの、その中で挙げるなら1) JAXAとの共同研究契約締結によるデータ提供とグループ内でのデータ共有、2) 解析ソフトウェアの無償提供とその講習会実施によるInSAR解析技術の普及である。1)のデータ提供・データ共有の仕組みにより、参画メンバーは国産SAR衛星ALOS、ALOS-2のデータを利用する敷居が大きく下がった。その結果、PIXELを通じたデータ提供を利用した研究成果はNature GeoscienceやJournal of Geophysical Researchを始めとした様々な国内外の学術誌に掲載されており、誌上発表論文総数は今日までに200に迫っている。また2)の解析技術普及により、国内でのInSAR解析研究は着実に増加しており、JpGUにおけるSARセッションでは特に学生による研究発表が毎年盛んに行われている。近年では次世代火山研究推進事業（課題B-2-1）との協力も行っており、PIXELの活動は益々重要なものとなっている。
本講演ではこれまでのPIXELの取り組みを抜粋して紹介し、また今後PIXELというグループとしてどのようなことに取り組んでいく予定かについても紹介する。