17:15 〜 18:45
[SVC26-P13] 伊豆大島におけるUAVを用いた熱赤外観測3
キーワード:ドローン、熱赤外観測、伊豆大島
活火山地域において、熱活動の状態を把握することは、火山の活動状況を把握する上で、重要な観測項目のひとつである。伊豆大島火山では、噴火履歴などの研究(Nakamura, 1964や遠藤他, 1988)から、36〜38年毎に107tonオーダーの噴火が報告されており、前回の噴火活動(1986〜1990年)からすでに30年以上が経過し、遠くない将来に噴火の発生が予想されている。気象研究所では、地殻変動が数年前から停滞し(渡辺, 1998)、熱や火山ガスに関する前兆現象が検出された(鍵山・辻, 1987や平林ほか, 1988)との前回噴火時の報告を参考に、現5か年計画(令和元〜5年度)の「火山活動の監視・予測に関する研究」において、ドローンを用いた空中熱赤外観測に取り組んでいる。本発表では、伊豆大島における令和5年度(最終年度)の結果を中心に報告する。
観測に使用したドローンと熱カメラは各々DJI Matrice300RTK、DJI Zenmuse XT2で、ドローンの飛行操作および撮影はすべて業者委託で実施した。令和5年度は、これまでの観測で得られた知見を元に、三原山山頂火口を含む約1700m2の領域におけるオルゾモザイク画像を、地上分解能30cm/pixel程度で作成するために、進行方向およびコース間のラップ率をともに90%として計画した。また、これらのデータを1晩で取得するために、離発着位置を別に設定したドローン2機を使い、北側と南側の2つの範囲について同時観測を行った。なお、各ドローンに搭載した熱カメラの個体差が想定されるため、温度観測値の精度を担保するために複数高度における温度既知点観測も実施した。ドローン飛行時は撮影高度における気温と湿度を測定するため携帯型気象計を搭載し、RTK機能を使用して観測を実施した。
実際の観測は令和6年2月上旬に実施したため、観測で得られたデータは現在解析中である。今後は、得られた温度観測値の補正手法などについて精査・検討をおこない、放熱量を計算し、観測方法を含めたドローンによる熱観測について火山活動評価への有効性について検討する。
観測に使用したドローンと熱カメラは各々DJI Matrice300RTK、DJI Zenmuse XT2で、ドローンの飛行操作および撮影はすべて業者委託で実施した。令和5年度は、これまでの観測で得られた知見を元に、三原山山頂火口を含む約1700m2の領域におけるオルゾモザイク画像を、地上分解能30cm/pixel程度で作成するために、進行方向およびコース間のラップ率をともに90%として計画した。また、これらのデータを1晩で取得するために、離発着位置を別に設定したドローン2機を使い、北側と南側の2つの範囲について同時観測を行った。なお、各ドローンに搭載した熱カメラの個体差が想定されるため、温度観測値の精度を担保するために複数高度における温度既知点観測も実施した。ドローン飛行時は撮影高度における気温と湿度を測定するため携帯型気象計を搭載し、RTK機能を使用して観測を実施した。
実際の観測は令和6年2月上旬に実施したため、観測で得られたデータは現在解析中である。今後は、得られた温度観測値の補正手法などについて精査・検討をおこない、放熱量を計算し、観測方法を含めたドローンによる熱観測について火山活動評価への有効性について検討する。