日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[U-10] 日本学術会議とJpGU

2024年5月27日(月) 15:30 〜 17:00 コンベンションホール (CH-B) (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:佐竹 健治(東京大学地震研究所)、三枝 信子(国立環境研究所)、小口 高(東京大学空間情報科学研究センター)、高橋 幸弘(北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)、座長:三枝 信子(国立環境研究所)、佐竹 健治(東京大学地震研究所)

15:30 〜 15:45

[U10-07] 地球・惑星圏分科会の活動と未来の学術振興構想

*倉本 圭1中村 卓司2 (1.北海道大学、2.国立極地研究所)

キーワード:地球・惑星圏分科会、地球惑星科学委員会、日本学術会議、未来の学術構想

日本学術会議地球惑星科学委員会下に設置している地球・惑星圏分科会は、学術の動向を受けた新しい地球惑星科学のあり方について、分野横断的観点も加え俯瞰的に議論し、地球惑星圏の科学者が連携して取り組むべきプロジェクトや、サイエンスの進め方、地球惑星科学の大型研究について検討することを目的とする。

地球は、磁気圏、大気圏、水圏、雪氷圏、固体圏、生命圏などが複雑に結合したシステムであり、さらに太陽系という巨大システムの一部をなし、さまざまな時空間スケールで変動する。従来、地球惑星科学は地球物理、地球化学、地質学、鉱物学、地理学などの多様なアプローチによって進展してきた。本分科会では、多様な地球惑星科学及び関連分野・関連学協会の研究者により、議論および検討を行う。

本分科会の下には、前期(第25期:令和2年度下半期から令和5年度上半期)に引き続き、地球観測衛星将来構想小委員会が置かれる。学術試料共有小委員会ならびに学術データ共有小委員会については、分野的なカバー範囲が地球惑星科学に閉じない性格を有することから、親委員会にあたる分野別委員会の拡大等も視野にいれつつ、その設置について検討中である。

将来の横断的プロジェクトや大型研究の検討は本分科会のもっとも大きな活動である。日本学術会議では、第 21 期から24期にかけ、学術的意義の高い大型研究計画を網羅的に体系化するマスタープランを期ごとに策定してきた。25期に日本学術会議は、将来研究の策定方針を更新し、「未来の学術振興構想」として将来研究の提言を発出した。これは今後 20~30 年頃まで先を見据えた学術振興の「グランドビジョン」とそれらの実現に必要な「学術の中長期研究戦略」からなる。地球・惑星圏分科会と地球惑星科学委員会は、地球惑星科学分野の大型研究についてコミュニティからの提案を募り、それらの評価検討結果を提案者やコミュニティにフィードバックしつつ、マスタープランや未来の学術振興構想へのインプットを行ってきた。

学術の動向を反映し、日本学術会議は未来の学術振興構想の策定方針を引き続き更新することが見込まれる。一方で、コミュニティからの研究構想の提案が、策定の基礎であることに変わりはなく、同時に、全地球規模の課題の解決や第一級の科学テーマへの分野横断的取り組みなど、多様な背景の科学者による横断的な検討や議論の結果のインプットも重要となる。地球・惑星圏分科会では引き続き、地球惑星科学委員会と連携して、地球惑星科学コミュニティが持つ将来研究計画の把握と建設的フィードバック、分野の戦略や横断的な学術テーマの検討、これらの結果の未来の学術振興構想あるいはその更新バージョンへのインプットを進める予定である。