日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS09] 応用気象学

2025年5月27日(火) 15:30 〜 17:00 展示場特設会場 (4) (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:稲津 將(北海道大学大学院理学研究院)、竹見 哲也(京都大学防災研究所)、日下 博幸(筑波大学)、座長:稲津 將(北海道大学大学院理学研究院)

16:30 〜 16:45

[AAS09-10] レジオネラ症報告数に対する気候変動の影響

*高田 久美子1、高木 優吾1、大河内 由美子1 (1.麻布大学)

キーワード:気候変動、レジオネラ症、季節性、極端現象

レジオネラ症は水中や湿った土壌中に生息するレジオネラ属菌(Legionella spp.)による呼吸器系の感染症で、菌を含むエアロゾルによって経気道感染する。20〜45℃で繁殖し、入浴施設や空調の冷却施設での集団感染がよく知られている一方で、洪水災害や土砂災害後に増加する可能性が指摘されており、地球温暖化による極端現象の激甚化や頻度増大による発症数の増加が懸念されている。
 本研究では、感染症週報(国立感染症研究所)による各県でのレジオネラ症報告数を用いて、2009年から2019年における平均的な季節変化パターンを導出した。全国的に気温の高い夏と秋に報告数が増大し、沖縄から北海道に向かってピークが夏の初めから秋に推移する傾向が見られ、各地域での気温や降水量の季節性はレジオネラ属菌の増殖条件と整合的であった。次に、気象庁による同期間の「災害をもたらした気象事例」から被害を受けた都道府県が多かったケースを抽出し、災害後にレジオネラ症報告数の増大が見られるか調査した。その結果、台風と前線による複合的な気象災害においてレジオネラ症報告数が増大する事例が複数あり、それらの事例では浸水被害の件数が多いことが確認された。
 一方で、レジオネラ症の報告数は年々増加しており、長期的な気候変化による影響について、今後解析を進めたい。