17:15 〜 19:15
[AHW31-P04] 東京都品川区の浅層地下水から検出されたマイクロプラスチックの起源の検討
★招待講演
キーワード:マイクロプラスチック、都市、浅層地下水、下水漏水
都市の「自己水源」である浅層地下水を対象として,浅層地下水システムの解明を目的とした研究を実施中である。その過程で,東京湾岸低地に位置し,日本有数の人口密集地である東京都品川区北品川・南品川地区の浅層地下水からマイクロプラスチック(以下,MPs)が高密度で検出された。都市の地下水形成に果たす降水,下水漏水,水道漏水の寄与率の推定結果などに基づき,この浅層地下水中のMPsの起源について水文学的な検討を行った。その結果を報告する。
北品川地区の6地点,南品川地区の11地点の浅井戸(深度12 m以浅)を調査対象として,2024年7月(豊水期)と2025年1月(渇水期)に現地調査・採水を行った。ステンレスメッシュ(目開き26 μm)を用いて地下水試料をろ過し,メッシュ上の残渣をFT-IRによる顕微透過法で分析した結果,Polyacrylamide(PAA),Polyacrylonitrile(PAN),Polyester,Polyetherurethane (PEUR),Polyethylene(PE),Polyethylene teraphalate(PET),Polypropylene(PP)およびPolyvinyl acetate(PVAc)といったMPsが検出された。2024年7月のMPs密度は,北品川地区で3.0~75.8個/L(平均24.3個/L),南品川地区で2.4~14.3個/L(平均6.5個/L)であった。
同月のδ18OとCl-濃度に基づく浅層地下水形成に果たす降水,水道漏水,下水漏水の3成分混合解析から,北品川地区の地点N2における下水漏水の寄与率は28%と高く,またMPs密度も両地区で最高の75.8個/Lであった。この結果は,標準耐用年数を超過している老朽化した下水道管,さらには汚水排水管や取付管の地下破損部からの下水(家庭雑排水,し尿)漏水が,地下水中のMPsの重要な起源である可能性を強く示唆する。一方で,下水漏水の寄与率だけではMPs濃度を説明できない地点も確認された。このことから,例えば道路や屋根上の摩耗・風化したMPsが降水(雨水)とともに地下に運ばれ,雨水排水管や取付管などの破損部からの雨水漏水を通じて地下水にもたらされるという,浅層地下水へのMPsの別の負荷プロセスも想定される。さらに,水道水にも一定量のMPsが含まれることから,水道漏水も地下水のMPs密度に影響を与えている可能性もある。当日は2025年1月の調査・分析結果も踏まえて,浅層地下水中のMPsの起源についてさらに議論を進める予定である。
本研究は日本科学協会の笹川科学研究助成および立正大学研究推進・地域連携センター支援費(第2種)を受けて実施された。
北品川地区の6地点,南品川地区の11地点の浅井戸(深度12 m以浅)を調査対象として,2024年7月(豊水期)と2025年1月(渇水期)に現地調査・採水を行った。ステンレスメッシュ(目開き26 μm)を用いて地下水試料をろ過し,メッシュ上の残渣をFT-IRによる顕微透過法で分析した結果,Polyacrylamide(PAA),Polyacrylonitrile(PAN),Polyester,Polyetherurethane (PEUR),Polyethylene(PE),Polyethylene teraphalate(PET),Polypropylene(PP)およびPolyvinyl acetate(PVAc)といったMPsが検出された。2024年7月のMPs密度は,北品川地区で3.0~75.8個/L(平均24.3個/L),南品川地区で2.4~14.3個/L(平均6.5個/L)であった。
同月のδ18OとCl-濃度に基づく浅層地下水形成に果たす降水,水道漏水,下水漏水の3成分混合解析から,北品川地区の地点N2における下水漏水の寄与率は28%と高く,またMPs密度も両地区で最高の75.8個/Lであった。この結果は,標準耐用年数を超過している老朽化した下水道管,さらには汚水排水管や取付管の地下破損部からの下水(家庭雑排水,し尿)漏水が,地下水中のMPsの重要な起源である可能性を強く示唆する。一方で,下水漏水の寄与率だけではMPs濃度を説明できない地点も確認された。このことから,例えば道路や屋根上の摩耗・風化したMPsが降水(雨水)とともに地下に運ばれ,雨水排水管や取付管などの破損部からの雨水漏水を通じて地下水にもたらされるという,浅層地下水へのMPsの別の負荷プロセスも想定される。さらに,水道水にも一定量のMPsが含まれることから,水道漏水も地下水のMPs密度に影響を与えている可能性もある。当日は2025年1月の調査・分析結果も踏まえて,浅層地下水中のMPsの起源についてさらに議論を進める予定である。
本研究は日本科学協会の笹川科学研究助成および立正大学研究推進・地域連携センター支援費(第2種)を受けて実施された。