日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS19] 温暖化時の海面上昇と沿岸地域への影響

2025年5月29日(木) 10:45 〜 12:15 103 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:鈴木 立郎(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、中野 英之(気象研究所)、森 信人(京都大学防災研究所)、齋藤 冬樹(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、座長:森 信人(京都大学防災研究所)、鈴木 立郎(国立研究開発法人海洋研究開発機構)

11:30 〜 11:45

[AOS19-04] 日本の沿岸水位における地殻変動の影響の考察

*中野 英之1 (1.気象研究所)

キーワード:日本の沿岸海面水位、地殻変動

温暖化における水位上昇は沿岸に大都市が集中する日本にとって非常に深刻な問題である。全球平均水位上昇の主要因は海水の温暖化による膨張によるものと氷床融解などによる陸から海への水の供給である。局所的な水位変動は力学的な応答に加えて地殻変動の影響を考慮しなければならない。日本は世界的に見ても不規則な地殻変動が大きい場所であり、その地殻変動の大きさは水位変動と同等の大きさがある。地殻変動の影響は、今年発行予定の日本の気候変動2025レポートの海面水位情報においても議論されている。ここではNakano et al. (2023, JO) の議論に沿って日本の沿岸水位における地殻変動の影響を考察する。
日本における沿岸水位の観測は代表的な16点ほどの潮位計から見つもられている。その20世紀初めからの時系列は1950年代に明瞭なピークを持つ50年周期が優勢であるのに対して、全球平均の見積もりは数十年変動を伴う一貫した上昇傾向を示しているおり、大きく異なる。各潮位計の平均値からのずれの標準偏差の時系列を計算したところ、各検潮所が別々の大きさの一定の地殻変動を受けているというモデルで説明がつく挙動をしめした。これらのことから潮位計データは地盤変動の影響を抑えようとする努力がはらわれているものも、はやり長期間ではこの影響が大きく表れているという合理的な疑いがあることがわかった。