日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG25] 圏外環境における閉鎖生態系と生物システムおよびその応用

2025年5月25日(日) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:加藤 浩(三重大学 研究基盤推進機構 先端科学研究支援センター)、安部 智子(東京電機大学理工学部)、篠原 正典(帝京科学大学)

17:15 〜 19:15

[HCG25-P02] 陸棲シアノバクテリア Nostoc sp. HK-01 の乾燥-再水和過程における遺伝子発現および Cyanophycin 代謝動態の解析

*小山 隼知1柴﨑 健豪1加藤 浩2横谷 香織3,1鈴木 利貞4安部 智子1 (1.東京電機大学 理工学部、2.三重大学 研究基盤推進機構 先端科学研究支援センター、3.筑波大学 生命環境系 、4.香川大学 農学部)

キーワード:シアノバクテリア、乾燥耐性

Nostoc sp. HK-01 は特に高い乾燥耐性を備える陸棲シアノバクテリアとして単離された。本菌株が宇宙実験での生物試料として採用され、3年間の国際宇宙ステーションによる船外曝露実験において生存することから、極めて高い過酷環境耐性が示された1)。本菌株は宇宙閉鎖環境における物質循環システム2)や、将来的な食資源としての利用3)が期待されている。一方で初期導入に当たっては宇宙輸送を考慮する必要がある。宇宙輸送における軽量化には乾燥耐性を高める必要がある。そのため、耐性に優れた乾燥細胞の調製方法の確立が不可欠である。本研究では、安定した乾燥細胞作製に必要な知見を得るため、短期的な乾燥および再水和過程において特異的に発現する遺伝子とその産物に着目した。
光照射下において BG-11 液体培地で培養した Nostoc sp. HK-01 の細胞群を、暗所下、デシケーター内で徐々に乾燥させ、経時的に採取した。また、半乾燥状態の細胞群を再びBG-11 液体培地で培養し、経時的に採取した。採取した細胞群から RNA、Cyanophycin および遊離アミノ酸をそれぞれ抽出し、解析した。湿潤から乾燥状態、乾燥から湿潤状態への移行過程において発現量が特異的に変動する遺伝子を探索した結果、ヒートショックプロテイン遺伝子やプロテアーゼ遺伝子、Cyanophycin 分解酵素遺伝子が検出された。加えて Cyanophycin やその分解物であるアミノ酸を定量した結果、蘇生過程において Cyanophycin の分解を通じた各種アミノ酸の利用が促進されることが示唆された。加えて Cyanophycin やその分解物であるアミノ酸を定量した結果、蘇生過程において Cyanophycin の分解を通じた各種アミノ酸の利用が促進されることが示唆された。

参考文献:
1. Tomita-Yokotani, K. et al., Astrobiology 21, 1506-1514, 2021.
2. Arai M. et al., Biological Sciences in Space 22, 8-17 2008.
3. Kimura, Y. et al., Biological Sciences in Space 29, 24-31 2015.