09:30 〜 09:45
[HDS09-03] 突発的な噴火を想定した登山者参加型避難訓練に基づく御嶽山防災対策の評価
キーワード:火山、防災対策、登山者参加型避難訓練、御嶽山
1. はじめに
御嶽山では、2014年の噴火災害後,避難施設や登山道の整備など防災力強化が行われた。しかし、避難ルートの明示や行動指針の整備など、ソフト対策は十分ではない。木曽町は防災対策の有効性の周知を図るため2022~2024年に、2014年御嶽山噴火を想定した登山者参加型避難訓練を実施した。本研究は、この訓練に参加した登山者へのアンケート調査を実施した。そこで、登山者の避難行動と意識を分析し、避難行動上の課題を明らかにするとともに、情報提供のあり方を検討する。
2. 避難訓練と調査・分析の方法
避難訓練は、避難者のパフォーマンス評価と避難の改善に資する情報を得る有効な手段とされる。本訓練では、防災無線でサイレンを吹鳴し、噴火発生を想定して登山者に避難行動を促した。本訓練では、突発的な噴火を想定しているが、実際の噴火時とは異なり、防災無線による噴火情報の提供を行っている。事前に登山口で行動指示書を配布し、登山者の行動をビデオ撮影するとともに、アンケート調査を実施した。さらに、2014年噴火時の映像・記事を分析し、訓練との比較を行った。
3. 結果と考察
(1) 避難行動の分析
訓練開始後1分以内にシェルターや岩陰などへの避難を開始した割合は、剣ヶ峰で100%、登山道では約31%であった。登山道では避難行動の開始にばらつきがあり、1~2分が約25%、2分以上が約25%、避難行動を取れなかった登山者は約19%であった。
避難先の選択に関して、シェルターや建物へ避難した割合は剣ヶ峰100%、登山道約6%であった。登山道では岩陰に避難した割合が約38%、その場に留まった割合が約31%、建物の陰が約13%、その他が約13%であり、行動の多様性と戸惑いが観察された。
(2) 避難時の意識
訓練時のリスク認識について、「安全だと感じた」割合は剣ヶ峰約27%、登山道約13%、「リスクを感じたが助かると思った」割合は剣ヶ峰約67%、登山道約13%、「リスクが大きく不安を感じた」割合は剣ヶ峰約7%、登山道約75%であった。剣ヶ峰では避難施設への安心感が強い一方、登山道では不安を抱く登山者が多かった。
(3) 避難行動の困難さと情報提供のニーズ
「避難ルートが分かりづらかった」と感じた割合は剣ヶ峰約33%、登山道約31%、「周囲の状況が把握できなかった」と感じた割合は剣ヶ峰約60%、登山道約44%であった。特に、具体的な指示や選択肢を求めるニーズは剣ヶ峰約60%、登山道約63%と非常に高く、情報提供の重要性が示唆された。
(4) 2014年噴火時の行動と比較
噴火時の映像分析によると、初動の避難行動には個人差があり、避難先の山小屋では当初混乱が見られた。その後、静まりかえり、多くの登山者が動かず待機する状態となった。噴火が収束すると、冷静に状況を判断する者と、混乱して適切な判断ができない者がいた。実際の災害現場では、訓練時のリスク認識とは異なり、緊迫した状況が続いていたと判断される。
4. 結論
避難行動の迅速化には、登山道や剣ヶ峰での明確な情報提供が重要である。特に、適切な避難行動を即時に判断できるよう、避難ルートの明示や行動指針の整備が求められる。また、避難先では冷静な判断を促す情報提供の充実が不可欠である。
御嶽山では、2014年の噴火災害後,避難施設や登山道の整備など防災力強化が行われた。しかし、避難ルートの明示や行動指針の整備など、ソフト対策は十分ではない。木曽町は防災対策の有効性の周知を図るため2022~2024年に、2014年御嶽山噴火を想定した登山者参加型避難訓練を実施した。本研究は、この訓練に参加した登山者へのアンケート調査を実施した。そこで、登山者の避難行動と意識を分析し、避難行動上の課題を明らかにするとともに、情報提供のあり方を検討する。
2. 避難訓練と調査・分析の方法
避難訓練は、避難者のパフォーマンス評価と避難の改善に資する情報を得る有効な手段とされる。本訓練では、防災無線でサイレンを吹鳴し、噴火発生を想定して登山者に避難行動を促した。本訓練では、突発的な噴火を想定しているが、実際の噴火時とは異なり、防災無線による噴火情報の提供を行っている。事前に登山口で行動指示書を配布し、登山者の行動をビデオ撮影するとともに、アンケート調査を実施した。さらに、2014年噴火時の映像・記事を分析し、訓練との比較を行った。
3. 結果と考察
(1) 避難行動の分析
訓練開始後1分以内にシェルターや岩陰などへの避難を開始した割合は、剣ヶ峰で100%、登山道では約31%であった。登山道では避難行動の開始にばらつきがあり、1~2分が約25%、2分以上が約25%、避難行動を取れなかった登山者は約19%であった。
避難先の選択に関して、シェルターや建物へ避難した割合は剣ヶ峰100%、登山道約6%であった。登山道では岩陰に避難した割合が約38%、その場に留まった割合が約31%、建物の陰が約13%、その他が約13%であり、行動の多様性と戸惑いが観察された。
(2) 避難時の意識
訓練時のリスク認識について、「安全だと感じた」割合は剣ヶ峰約27%、登山道約13%、「リスクを感じたが助かると思った」割合は剣ヶ峰約67%、登山道約13%、「リスクが大きく不安を感じた」割合は剣ヶ峰約7%、登山道約75%であった。剣ヶ峰では避難施設への安心感が強い一方、登山道では不安を抱く登山者が多かった。
(3) 避難行動の困難さと情報提供のニーズ
「避難ルートが分かりづらかった」と感じた割合は剣ヶ峰約33%、登山道約31%、「周囲の状況が把握できなかった」と感じた割合は剣ヶ峰約60%、登山道約44%であった。特に、具体的な指示や選択肢を求めるニーズは剣ヶ峰約60%、登山道約63%と非常に高く、情報提供の重要性が示唆された。
(4) 2014年噴火時の行動と比較
噴火時の映像分析によると、初動の避難行動には個人差があり、避難先の山小屋では当初混乱が見られた。その後、静まりかえり、多くの登山者が動かず待機する状態となった。噴火が収束すると、冷静に状況を判断する者と、混乱して適切な判断ができない者がいた。実際の災害現場では、訓練時のリスク認識とは異なり、緊迫した状況が続いていたと判断される。
4. 結論
避難行動の迅速化には、登山道や剣ヶ峰での明確な情報提供が重要である。特に、適切な避難行動を即時に判断できるよう、避難ルートの明示や行動指針の整備が求められる。また、避難先では冷静な判断を促す情報提供の充実が不可欠である。