17:15 〜 19:15
[MGI29-P02] 太古代花崗岩類の主要元素組成データの類似性評価に基づくクラスター解析

キーワード:クラスター解析、UMAP、主要元素、太古代
大陸地殻の地球化学的進化は、地殻の全球的な増減・変化のプロセスを理解する鍵となる。太古代から古原生代にかけて、大陸地殻岩石はNaに富む組成からKに富む組成へ進化したことが知られている(Moyen and Martin, 2012; Sun et al., 2024)。また、太古代の花崗岩類だけでも化学的に多様であり、Moyen (2011)は太古代花崗岩類の全岩化学組成データコンパイルと、K2O、Sr、Y、Nb、Ta、Ceを用いたnaive Bayes法による分類を行い、Naに富む岩石をSodic HP、MP、LPに、Kに富む岩石をPotassicと分類した。この分類結果は,着目した微量元素については分離できているが,主成分元素でデータ分布に重なりが強く、本質的な違いを十分に抽出できていない。本研究では、岩石を特徴づけている主要元素を用いて、Moyen (2011)データの再分類を試みた。解析法として、①主成分分析(PCA)、②UMAP(Uniform Manifold Approximation and Projection; Leland et al., 2018)による次元圧縮、③HDBSCANによるクラスタリングを用いた。
主要元素組成データを解析に用いる時の問題点として定数和制約による影響などがあり(太田・新井, 2006)、プロットの仕方により本来異なるはずの岩石が同じ岩石と認識される危険性がある。そこで、解析の前処理として相加対数比(ALR: additive logratio)変換による処理を行い、変換変数に対しPCAを行った。PCA主成分スコア(第4主成分まで使用)にUMAPを適用し、2次元まで圧縮した。UMAPはリーマン幾何学と代数トポロジーをもとに構築されている次元圧縮と可視化の手法であり、特徴として、データ間の距離が近いものをより近く、遠いデータはより遠く、グラフ上に配置するため、主要元素組成の類似性の強いものを集めることができる。HDBSCANは密度準拠のクラスタリング手法の一つであり、クラスタの最小サンプル数をパラメータとして指定することで、境界が複雑なデータ構造に適した手法である。
解析の結果、Kに富むクラスタが1つ(クラスタ1)、Naに富むクラスタはSiO2量に応じた3つ(クラスタ2と3、その中間的なクラスタ0)の計4クラスタに区分され、Moyen (2011)の分類と類似の結果が得られた。さらに、Kに富むクラスタ1はFeOt/MgOが高く、Naに富むクラスタ2、3、0と異なる特徴が明瞭になった。微量元素について、Moyen (2011)に記載のあるSiO2 vs Sr、SiO2 vs Th、Y vs Ce/Sr、Y vs Nb、Y vs Sr/Y、Y+Nb vs Rbの各プロットで本研究の結果を見ると、クラスタ1はクラスタ2、3、0と比べ、Srが低く、Th、Ce/Sr、Y、Nb、Rb、が高い。クラスタ2と3は上記プロットではSiO2やRb/Y+Nbについて特徴に違いがあり、また、微量元素においてもクラスタ0はクラスタ2と3の中間的特徴を示した。主要元素組成を用いた岩石分類が、微量元素の特徴の違いとリンクする形でクラスタリングができている。
本発表では、クラスタごとに主要元素と微量元素の特徴について検討し、Moyen (2011)の分類との比較を行い、主要元素を用いて岩石をグループ分けする本手法の有用性について議論する。
主要元素組成データを解析に用いる時の問題点として定数和制約による影響などがあり(太田・新井, 2006)、プロットの仕方により本来異なるはずの岩石が同じ岩石と認識される危険性がある。そこで、解析の前処理として相加対数比(ALR: additive logratio)変換による処理を行い、変換変数に対しPCAを行った。PCA主成分スコア(第4主成分まで使用)にUMAPを適用し、2次元まで圧縮した。UMAPはリーマン幾何学と代数トポロジーをもとに構築されている次元圧縮と可視化の手法であり、特徴として、データ間の距離が近いものをより近く、遠いデータはより遠く、グラフ上に配置するため、主要元素組成の類似性の強いものを集めることができる。HDBSCANは密度準拠のクラスタリング手法の一つであり、クラスタの最小サンプル数をパラメータとして指定することで、境界が複雑なデータ構造に適した手法である。
解析の結果、Kに富むクラスタが1つ(クラスタ1)、Naに富むクラスタはSiO2量に応じた3つ(クラスタ2と3、その中間的なクラスタ0)の計4クラスタに区分され、Moyen (2011)の分類と類似の結果が得られた。さらに、Kに富むクラスタ1はFeOt/MgOが高く、Naに富むクラスタ2、3、0と異なる特徴が明瞭になった。微量元素について、Moyen (2011)に記載のあるSiO2 vs Sr、SiO2 vs Th、Y vs Ce/Sr、Y vs Nb、Y vs Sr/Y、Y+Nb vs Rbの各プロットで本研究の結果を見ると、クラスタ1はクラスタ2、3、0と比べ、Srが低く、Th、Ce/Sr、Y、Nb、Rb、が高い。クラスタ2と3は上記プロットではSiO2やRb/Y+Nbについて特徴に違いがあり、また、微量元素においてもクラスタ0はクラスタ2と3の中間的特徴を示した。主要元素組成を用いた岩石分類が、微量元素の特徴の違いとリンクする形でクラスタリングができている。
本発表では、クラスタごとに主要元素と微量元素の特徴について検討し、Moyen (2011)の分類との比較を行い、主要元素を用いて岩石をグループ分けする本手法の有用性について議論する。