14:45 〜 15:00
[MIS11-05] 珠洲市飯田湾沖の海底表層堆積物に記録された令和6年能登半島地震に伴う津波の痕跡
キーワード:津波堆積物、能登半島地震、海底堆積物
令和6年1月1日に起こった能登半島地震によって能登半島北東部の沿岸域に津波が到達した。特に、珠洲市や能登町の海岸沿いの集落を襲った津波は最大で5m程度の遡上痕が確認され、家屋にも甚大な被害をもたらした。こうした陸上の津波被害については多くの調査が行われ、その浸水範囲や規模が明らかになりつつある中、沿岸海底への影響についてはあまり理解されていない。能登半島先端の飯田湾から東には飯田海脚と呼ばれる遠浅の地形に砂質堆積物が広がっており、津波襲来の際に削剥、懸濁、再堆積が起こったと考えられる。こうした津波の海底へ及ぼした影響の水平範囲や深度分布の理解は、津波の規模推定やシミュレーションにも資すると期待される。
本研究では、飯田湾から東部に広がる飯田海脚にかけた範囲(水深5−300m)において、地震発生の3週間後から1年後に至るまでに5回の沿岸海域調査を行い、計25地点でアシュラコアラーを用いて表層堆積物の採取を行った。東西方向に伸びる測線を南北に3本設定し、海底地形による津波影響の違いを検討した。また、いくつかの地点については時間経過とともに変化する堆積物の様子を捉えるために、繰り返し訪れて堆積物採取を行った。採取した堆積物コアはCT撮影、岩相記載を行い、津波による堆積構造の有無を判定し、その特徴の空間的広がりを調査した。
採取された堆積物コアには、削剥面とその上に層構造が見られた地点がいくつも存在した。また、削剥面より下部には生物擾乱が発達し、貝殻片などを含む粗粒砂堆積物が見られることから、下部は津波前の堆積物であり、削剥面より上部が津波に伴って懸濁、再堆積したものと考えた。3測線の同水深帯の堆積物コアには違いが確認され、海底の微地形が津波の影響に違いを与えた可能性が示唆された。さらに、津波によって形成された平行葉理は時間の経過とともに生物擾乱によって破壊されていく様子が観察された。具体的には、1月と2月に確認された平行葉理は半年後には一部破壊され、1年後にはさらに破壊が進んでいた。このことは、徐々に底生生態系が回復しつつあることを示している。
本研究では、飯田湾から東部に広がる飯田海脚にかけた範囲(水深5−300m)において、地震発生の3週間後から1年後に至るまでに5回の沿岸海域調査を行い、計25地点でアシュラコアラーを用いて表層堆積物の採取を行った。東西方向に伸びる測線を南北に3本設定し、海底地形による津波影響の違いを検討した。また、いくつかの地点については時間経過とともに変化する堆積物の様子を捉えるために、繰り返し訪れて堆積物採取を行った。採取した堆積物コアはCT撮影、岩相記載を行い、津波による堆積構造の有無を判定し、その特徴の空間的広がりを調査した。
採取された堆積物コアには、削剥面とその上に層構造が見られた地点がいくつも存在した。また、削剥面より下部には生物擾乱が発達し、貝殻片などを含む粗粒砂堆積物が見られることから、下部は津波前の堆積物であり、削剥面より上部が津波に伴って懸濁、再堆積したものと考えた。3測線の同水深帯の堆積物コアには違いが確認され、海底の微地形が津波の影響に違いを与えた可能性が示唆された。さらに、津波によって形成された平行葉理は時間の経過とともに生物擾乱によって破壊されていく様子が観察された。具体的には、1月と2月に確認された平行葉理は半年後には一部破壊され、1年後にはさらに破壊が進んでいた。このことは、徐々に底生生態系が回復しつつあることを示している。