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[MZZ42-07] セシウムスパッター型負イオン源でのイオン化メカニズムの理解向上と宇宙線生成核種のAMS測定の今後
キーワード:宇宙線生成核種、加速器質量分析、イオン化、セシウムスパッター型負イオン源
宇宙線生成核種は地形学や古気候学の幅広い分野で利用されている。宇宙線生成核種の中でも10Beは、地表面の年代を得るのに有用である。宇宙線生成核種を加速器質量分析器(AMS)で分析する際は、セシウムスパッター型負イオン源において高い強度の負イオンビームを得ることが重要である。これは負イオンビームの強度が最終検出器における目的核種のカウント数に直結し、計数統計に由来する測定の不確かさに大きな影響を及ぼすためである(Nakamura et al., 2021)。AMSにより10Beの測定が行われるようになってから30年以上が経つが、10Be測定におけるセシウムスパッター型イオン源での負イオン化のメカニズムについては未だに十分な説明がない。近年、セシウムスパッター型イオン源での負イオン生成には、励起状態の中性Csからの共鳴的な電子移動が関与しているとの説が注目されている(Vogel, 2015)。この説では、BeOと試料を充填するカソード素材との間で、イオン化の競合が起きることが理論的に予想されている。そこで本発表ではカソート素材がBeO-の電流値に与える影響を調べた結果(Nakamura et al., 2025)について議論する。ステンレス製カソードと銅製カソードを用いて標準試料から得られるBeO-を比較したところ、ピークの電流値はステンレス製カソードを用いた場合の方が高かった。これは第一近似的にはカソード素材を構成する元素の電子親和力の違いによって説明できる。さらに励起状態の中性Csのエネルギー準位について考察したところ、BeOとカソード素材のイオン化の競合は、共鳴的な電子移動によってうまく説明できることが明らかとなった。この結果は10Be以外の宇宙線生成核種のAMS測定におけるイオン化の最適化や、セシウムスパッター型イオン源を用いた様々な研究に応用が可能と考えられる。
Nakamura et al., 2021, Geochemical Journal 55, 209–222.
Nakamura et al., 2025, NIMB 558, 165562.
Vogel., 2015, NIMB 361, 156–162.
Nakamura et al., 2021, Geochemical Journal 55, 209–222.
Nakamura et al., 2025, NIMB 558, 165562.
Vogel., 2015, NIMB 361, 156–162.