日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

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[M-ZZ45] ジオパークとサステナビリティ(ポスター)

2025年5月25日(日) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、郡山 鈴夏(フォッサマグナミュージアム)、佐野 恭平(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、土井 恵治(土佐清水ジオパーク推進協議会)

17:15 〜 19:15

[MZZ45-P02] 栗駒山麓ジオパークにおける防災教育の実践

*原田 拓也1 (1.栗駒山麓ジオパーク推進協議会)

キーワード:ジオパーク、栗駒山麓ジオパーク、防災教育、自然災害

宮城県北西部に位置する栗原市では,平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震により,山麓部で3500か所を超える山地災害が発生し,その痕跡や遺構が現在も残されている.また,栗原市は水害が頻発する地域でもあり,これまで台風や大雨による河川の氾濫や浸水被害が報告されている.栗駒山麓ジオパークでは,これまでに栗原市で発生した自然災害の遺構や情報を活用し,自然災害への理解と防災を考える防災教育プログラムを提案している.本稿では,2024年度までに実践した3つのプログラムについて紹介する.

1 プログラム「平成20年岩手・宮城内陸地震について知ろう」(推奨学年:小5以上)
 岩手・宮城内陸地震で生じた崩落現場やビジターセンター展示の見学を通して,内陸部の地震による被害の状況や現象のメカニズム等を学習するプログラム.2024年度の実施数は17件.発災から16年が経過し,徐々に植生に覆われてきているが,地すべり地形そのものや寸断された道路などは現在も残されているため,地震による被害や防災を考えるフィールドとして活用している.また,地すべりシミュレーション装置「ユレオ」を用いた実験や地すべり地を構成する岩石の観察などを行い,地すべりという現象への理解を深めている.高校生以上については,荒砥沢地すべり地の内部を案内し,地すべりの様子や規模を体感してもらうプログラムも提供している.

2 プログラム「川のはたらきと栗原の水害」(推奨学年:小56
 ビジターセンターの展示見学と水利実験装置「エムリバージオモデル」を活用した実験を通して,河川のはたらきや地形のできかた,水害について考えるプログラム.2024年度の実施数は4件.主に小学校理科第5学年の単元「流れる水のはたらき」に連動させて実施し,希望があれば実際に河川の様子を見学に行く行程も加えている.また,エムリバージオモデルを用いた水害シミュレーション実験を通して,身近で起こり得る水害への意識付けも図っている.学校教員からは,このプログラムで単元「流れる水のはたらき」をほぼ網羅できるため,非常にありがたいとのコメントをいただいた.

3 プログラム「栗原の自然災害と防災について考えよう」(推奨学年:小5以上)
 栗原市における過去の自然災害の情報提供とハザードマップを用いたグループワークを通して,地域の災害リスクを知り,有事にどのように行動するか考えるプログラム.2024年度の実施数は4件.栗原市は,2022年時点の市内全家庭に「栗原市防災マップ」を配布したが,学校側で確認したところ,中を見たことがある児童・生徒はほとんどいなかった.そこで,自分の住む地域の特徴を地図上で確認しながら,どんなリスクがあるのかを把握するきっかけづくりとして2023年度から導入した.この学習をきっかけに,各家庭で防災について話題にあがり,防災意識の向上につながることを期待したい.