日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-ZZ その他

[M-ZZ45] ジオパークとサステナビリティ(ポスター)

2025年5月25日(日) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、郡山 鈴夏(フォッサマグナミュージアム)、佐野 恭平(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、土井 恵治(土佐清水ジオパーク推進協議会)

17:15 〜 19:15

[MZZ45-P15] 栗駒山麓ジオパークにおける「伊豆野堰」を巡るジオツアーの開発
〜先人から学ぶ「水」との付き合い方〜

*横山 光1鈴木 比奈子2、佐藤 鉄也3 (1.北翔大学、2.専修大学、3.栗駒山麓ジオパークガイドの会)

キーワード:防災、伝承、科学コミュニケーション、住民参画

栗駒山麓ジオパークのある宮城県栗原市一迫川流域において、ガイドの会の有志とともに、江戸時代に造成された伊豆野堰を用いたジオツアー開発に取り組んでいる。
一迫川はこれまで幾度となく氾濫し、流域に水害をもたらしてきた。一方、この流域には広い段丘面があり、江戸時代より段丘面にある通称伊豆野原での新田開発と水利が課題となってきた。この伊豆野原に一迫川上流から取水して水をもたらした堰が「伊豆野堰」である。伊豆野堰は現在も地域にとって重要な設備であり、地域住民によって大切に管理されている。また、高低差の少ない堰で水を流した先人の工夫や、近代技術による工夫、水害の記録なども周辺で観察することができる。
そこで、伊豆野堰の取水口である伊豆野堰頭首工から、伊豆野堰のほぼ終点である県立迫桜高等学校まで、伊豆野堰を巡るジオツアープログラムを開発することを目的とし、栗駒山麓ジオパークガイドの会の有志とともに、伊豆野堰及び周辺地域のガイドポイントを発掘する調査を行った。
その結果、ジオツアーとして使用できそうなガイド地点とガイド内容の候補を以下のように整理することができたので、本発表にて報告する。
伊豆野せせらぎ公園:伊豆野堰頭首工と水害による取水口変遷の歴史について
長崎川・昔川交差:堰水路と直行する川を渡すサイフォン技術と歴史について
金矢〜宿:段丘面上の堰と水田と、段丘崖下の水田について
築館新田:段丘面上の堰と段丘崖下の一迫川について
大滝周辺:堰に作られた滝と堰の歴史について
東北自動車道交差:高速道路造成と堰の保存について
志波姫刈敷洪水標柱:過去の水害と土地の成り立ちについて
徳富橋・もぐり橋:迫川の洪水と共生する工夫について
宮城県立迫桜高等学校:伊豆野堰の終点と、段丘地形について

これらのガイド地点をどのようなストーリーで接続するか、また、移動の手段などが今後の課題となっている。2025年度中に近隣ジオパークにも声がけをし、伊豆野堰ジオツアーのモニターツアーを実施し、プログラムのブラッシュアップを目指したい。

なお、本研究は科研費(課題番号23K02767)の支援を受けて実施している。