17:15 〜 19:15
[O02-P03] 科学コミュニケーションとアートが接近するとき—科学広報資材制作の現場から—
★招待講演
日々の衣食住から、交通や電気、インターネットなどの各種インフラまで、私たちの身の回りには科学的知見をベースに作られたものが溢れている。もはや社会は、科学なしでは成り立たなくなっており、現代を生きる誰もが科学とは無縁ではいられない。市民一人ひとりが信頼できる科学的情報を得て、主体的に行動することがますます重要になってきている。一方、研究者の立場からみると、特に公的な研究機関や大学に所属している場合、研究費の大半が税金から拠出されているということもあり、社会に対する説明責任を負っている。
こうした状況の中、専門家が科学的な情報をわかりやすく発信し、一般の人々と相互に交流し、意見を交換する科学コミュニケーションの重要性はますます高まっている。しかし、科学コミュニケーションを行う体系は未だ十分に整備されておらず、専門家が科学コミュニケータの役割を担うことも多いのが現状だ。その一方で、専門的な内容を噛み砕いて説明するためには平易かつ魅力的な文章、イラスト、デザイン、そしてコミュニケーションスキルなど、多岐にわたる能力が求められる。言うまでもなく、これら全ての能力を個々の研究者に求めるのは不可能であり、科学コミュニケーションは多職種が連携して行うべきものであると言える。
こうした問題意識から、発表者は科学コミュニケーションを専門に行う株式会社を立ち上げ、科学コミュニケーションを新たな産業として社会に根付かせることを目標として、主に科学広報資材の制作を行なっている。科学広報資材を作成するためには、まずイラストレーターやデザイナー、ライターなどと研究内容やその含意するところを共有する必要があり、これはつまり、専門家と非専門家との科学コミュニケーションそのものである。私はこうした取り組みを通じて、それぞれの知恵を出し合って伝えたいことの本質を削り出していくという作業は、物事の本質に迫ろうというアーティストたちの活動と思いがけないアナロジーを示すという直感を得た。本講演では、この憶見を出発点に、科学コミュニケーションとアートの交差から立ち現れる、科学という営みの遠景について議論したい。
こうした状況の中、専門家が科学的な情報をわかりやすく発信し、一般の人々と相互に交流し、意見を交換する科学コミュニケーションの重要性はますます高まっている。しかし、科学コミュニケーションを行う体系は未だ十分に整備されておらず、専門家が科学コミュニケータの役割を担うことも多いのが現状だ。その一方で、専門的な内容を噛み砕いて説明するためには平易かつ魅力的な文章、イラスト、デザイン、そしてコミュニケーションスキルなど、多岐にわたる能力が求められる。言うまでもなく、これら全ての能力を個々の研究者に求めるのは不可能であり、科学コミュニケーションは多職種が連携して行うべきものであると言える。
こうした問題意識から、発表者は科学コミュニケーションを専門に行う株式会社を立ち上げ、科学コミュニケーションを新たな産業として社会に根付かせることを目標として、主に科学広報資材の制作を行なっている。科学広報資材を作成するためには、まずイラストレーターやデザイナー、ライターなどと研究内容やその含意するところを共有する必要があり、これはつまり、専門家と非専門家との科学コミュニケーションそのものである。私はこうした取り組みを通じて、それぞれの知恵を出し合って伝えたいことの本質を削り出していくという作業は、物事の本質に迫ろうというアーティストたちの活動と思いがけないアナロジーを示すという直感を得た。本講演では、この憶見を出発点に、科学コミュニケーションとアートの交差から立ち現れる、科学という営みの遠景について議論したい。