13:45 〜 15:15
[O11-P119] Cosmic Watchを使った水によるミューオンの減衰の測定
【動機と目的】ミュオグラフィは火山、ピラミッド等陸域における透視に広く役立てられているが、2021年に東京湾に海底ミュオグラフィセンサーアレイが設置され、天文潮位のリアルタイムの観測にはじめて成功した。この研究から、ミュオグラフィを用いた海洋現象の観測に興味を持ち、Cosmic Watchを用いて水によるミューオンの減衰を簡易的に観測できないかと思い、この研究を始めた。本研究では、水槽の水によるミューオンの減衰を測定し、減衰率と水深の相関性を調べることを目標としている。
【器具】本研究では、Cosmic Watchという宇宙線検出器を用いた。Cosmic Watchは以下のような仕組みになっている(Figure A)。まず、宇宙線のエネルギーによってシンチレータが発光すると、SiPMによって電流に変換される。次に、増幅/整形回路により処理を行い、電圧としてしきい値を超える信号が、放射線信号とみなされる。そして、Ardiunoにおいてピーク電圧が0〜1023の1024段階のデジタル信号に変換され、整数値としてSDカードに記録される。この際、温度計や湿度、気圧の値も収集される。
また、水槽に向けて傾けて測定するために、段ボールで、1:√3:2の比を用いて傾斜30°の台を作成した。
【測定方法】2025年2月5日東京スカイツリータウン®にあるすみだ水族館の小笠原大水槽周辺にて測定を行った。Cosmic Watchを鉛直方向から30°傾け、三箇所から一定の時間二台測定を行った。Cosmic Watchを二台重ねることで、2つの検出器を通ったミューオンのみを測定することができ、検知する幅の角度を絞ることができる。まず、水槽の上から測定を行った(Figure B)。次に、小笠原大水槽を通った宇宙線が観測できるように、水槽の隣から測定を行った(Figure C)。小笠原大水槽の水深が約6mであり、鉛直方向から30°傾けて測定したため、約7mの水を通った宇宙線のみ測定される。最後に、水槽の隣で、水槽を通らないような向きで宇宙線を測定した(Figure D)。
【結果・考察】結果をGoogle Colaboratoryで解析したところ、それぞれFigure E、Figure F、FIgure Gのグラフのようになった。それぞれ縦軸は検出数(count)、横軸はadc値を示している。adc値とは、Ardiunoでデジタル処理された0〜1023の整数値のことをさす。adc値の値が高いほど、ミューオンのエネルギーが高いことを表している。まず、水槽の上から測定した場合では、約0.1/sの頻度で宇宙線が検知された。一方で、水槽を通した場合では、約0.05/sにまで減少した。また、水槽横で測定した場合は、約0.1/sの頻度で検知された。これらの結果から、7m程度の水では、ミューオンの頻度が半減し、一方空気による減衰はこれに比べて非常に小さいことがわかった。
【今後の展望】今回の実験では、いくつかの課題が見つかった。まず、アクリル板によるミューオンの減衰である。今回測定を行った小笠原大水槽のアクリル板の厚さは約280mmであることがわかっている。そのため、アクリル板による減衰も結果に大きく影響していることが考えられる。実験の精度を上げるために、この要因を取り除かなくてはならない。
次に、Cosmic Watchの電源の確保である。今回、Cosmic Watchの電源をモバイルバッテリーを用いて供給していたが、度々途中で電源がオフになってしまうということが起きた。その結果、データの測定時間にばらつきが見えてしまった。このような事態を防ぐために、試行を重ねていこうと思う。
また、異なる水深のデータを集めることも必要である。今回の実験では、約7mの水を通した場合のみの考察となってしまったため、空気に比べて水によるミューオンの減衰が非常に大きいことしかわからなかった。複数の水深でのデータを集めて比較することができれば、水深の変化による減衰率の変動を調べることができるだろう。
【器具】本研究では、Cosmic Watchという宇宙線検出器を用いた。Cosmic Watchは以下のような仕組みになっている(Figure A)。まず、宇宙線のエネルギーによってシンチレータが発光すると、SiPMによって電流に変換される。次に、増幅/整形回路により処理を行い、電圧としてしきい値を超える信号が、放射線信号とみなされる。そして、Ardiunoにおいてピーク電圧が0〜1023の1024段階のデジタル信号に変換され、整数値としてSDカードに記録される。この際、温度計や湿度、気圧の値も収集される。
また、水槽に向けて傾けて測定するために、段ボールで、1:√3:2の比を用いて傾斜30°の台を作成した。
【測定方法】2025年2月5日東京スカイツリータウン®にあるすみだ水族館の小笠原大水槽周辺にて測定を行った。Cosmic Watchを鉛直方向から30°傾け、三箇所から一定の時間二台測定を行った。Cosmic Watchを二台重ねることで、2つの検出器を通ったミューオンのみを測定することができ、検知する幅の角度を絞ることができる。まず、水槽の上から測定を行った(Figure B)。次に、小笠原大水槽を通った宇宙線が観測できるように、水槽の隣から測定を行った(Figure C)。小笠原大水槽の水深が約6mであり、鉛直方向から30°傾けて測定したため、約7mの水を通った宇宙線のみ測定される。最後に、水槽の隣で、水槽を通らないような向きで宇宙線を測定した(Figure D)。
【結果・考察】結果をGoogle Colaboratoryで解析したところ、それぞれFigure E、Figure F、FIgure Gのグラフのようになった。それぞれ縦軸は検出数(count)、横軸はadc値を示している。adc値とは、Ardiunoでデジタル処理された0〜1023の整数値のことをさす。adc値の値が高いほど、ミューオンのエネルギーが高いことを表している。まず、水槽の上から測定した場合では、約0.1/sの頻度で宇宙線が検知された。一方で、水槽を通した場合では、約0.05/sにまで減少した。また、水槽横で測定した場合は、約0.1/sの頻度で検知された。これらの結果から、7m程度の水では、ミューオンの頻度が半減し、一方空気による減衰はこれに比べて非常に小さいことがわかった。
【今後の展望】今回の実験では、いくつかの課題が見つかった。まず、アクリル板によるミューオンの減衰である。今回測定を行った小笠原大水槽のアクリル板の厚さは約280mmであることがわかっている。そのため、アクリル板による減衰も結果に大きく影響していることが考えられる。実験の精度を上げるために、この要因を取り除かなくてはならない。
次に、Cosmic Watchの電源の確保である。今回、Cosmic Watchの電源をモバイルバッテリーを用いて供給していたが、度々途中で電源がオフになってしまうということが起きた。その結果、データの測定時間にばらつきが見えてしまった。このような事態を防ぐために、試行を重ねていこうと思う。
また、異なる水深のデータを集めることも必要である。今回の実験では、約7mの水を通した場合のみの考察となってしまったため、空気に比べて水によるミューオンの減衰が非常に大きいことしかわからなかった。複数の水深でのデータを集めて比較することができれば、水深の変化による減衰率の変動を調べることができるだろう。
