日本地球惑星科学連合2025年大会

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[O-11] 高校生ポスター発表

2025年5月25日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)、鈴木 智恵子(海洋研究開発機構)、中西 諒(国立研究開発法人産業技術総合研究所)


13:45 〜 15:15

[O11-P12] 新潟市西区に液状化が集中したのはなぜか 〜砂から考える液状化のしやすさ〜

*瀧澤 凜1 (1.新潟県立燕中等教育学校)

キーワード:液状化、地震、粒度分析

【背景と目的】
2024年1月の能登半島地震で,新潟県新潟市西区で液状化現象がみられた。震度5強ではあったが,震源から近く同じ震度5強の地区でも液状化被害が少なかった場所が多い中,震源から約 160km離れていたのになぜ液状化が起きたのか。
液状化する要因は,震度以外に砂の性質や地形など様々な条件がある。それを調査すれば,液状化が起きやすい条件が絞られて,今後の液状化予測に役立つと考えられる。

【課題】
地形については過去の地図などで確認し,予測をつけることができる。そして今回は液状化が起きた地区で採取された土があったため,それを使い性質や深さごとの状態などを調べることが可能となったが,その結果と当該地区の地形や土地の成り立ちなどを関連づけることができるかが課題である。

【実験方法】
2つの実験を行う。
まず,液状化が再現されるまでの振動回数を比較するため,液状化をした地区の砂とその地区以外の砂を用意する。プラスチックカップにそれらを入れ振動を与え,液状化がみられるまでの回数を比較した。そして各砂を粒度分析装置で計測し,その結果を比較した。
次に,液状化をした地区の砂の性質や層を確認するため,ボーリング調査で採取した液状化地区2か所の砂を,粒度分析装置を用いて深さ2cmごとに計測していく。

【実験結果】
カップでの液状化再現実験では,実際に液状化をした地区の砂はすぐに液状化を見せた(図1)。粒度分析にかけると,粒度分析でも液状化した地区の砂は,粒がそろっていることが確認できた(図2)。
次に液状化した二地区の砂を粒度分析装置にかけてグラフ化したところ,両地区とも細かい砂が連続してそろっている部分が見られた(図3)。二地区の比較では,連続した砂の層の位置や粒度分析による結果は液状化地区の過去の地形と結びついていた(図4,図5)。

【考察】
粒度分析装置の結果,液状化した地区の土層に細かい砂が連続して綺麗にそろっている層があった。さらに地表に近い地下水の下に,その層があることが分かった(図3)。液状化しやすいのは,砂の粒が小さくそろっている層が地下水の下にある土地であり,液状化した地区はその条件をそろえていたことが明らかとなった。さらに液状化地区の過去の地形を確認すると,粒度分析結果と概ね一致している。この結果は,過去の地形やボーリング調査を行った各地区のデータを用いた液状化の予測に役立つのではないかと考える。


【引用文献】

卜部厚志ほか.2024年能登半島地震による新潟市域の液状化被害調査報告書.新潟大学災害・復興研究所,2024,39p.

信濃川下流河川事務所. “明治34年の信濃川測量図:関屋~曽野木” . しなのがわかりゅう. https://www.hrr.mlit.go.jp/shinage/shinanogawa/meiji/index_2.html , (参照 2025-04-12)

地質調査総合センター. “5万分の1地質図幅 7.新潟“ . 産業技術総合研究所. https://www.gsj.jp/Map/JP/geology4-7.html#07009 , (参照 2025-04-12)