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[O11-P54] 学校林における表層崩壊のリスク評価
キーワード:表層崩壊、地質分析、学校林
【背景】 仙台第三高校が保有している学校林である時習の森には表層崩壊跡や急斜面などの危険箇所が多数存在しており、学校が行っているフィールドワークの妨げになっている。
【目的】時習の森における表層崩壊の発生要因を解明し、時習の森内の危険箇所の詳細を調べることで、今後表層崩壊が起こりそうな箇所の予想や時習の森の安全性向上に役立てること。
【データ】 表層崩壊は多量の雨水の堆積や斜度60度以上の急斜面によって引き起こされることが多い。なだらっかでな膨らんだ地形は通常の斜面よりも表層崩壊が起こりやすい。時習の森の形はへこんだ六角形であり、面積が10652m²、体積が110070m³である。
【手法】 時習の森付近にある露頭地点から地質分析を行い、柱状図と地質図を作成。時習の森をA〜Gと山頂と崩壊面の9箇所に区画分けをし、それぞれの地点で採取した土25gに純水50gを加え加熱し、土中の空気を抜いた後、全体の体積が100mlになるまで純水を加え質量を計測し、土壌粒子密度を算出する。時習の森を六角形と見なし、地理院地図を用いて、面積と体積を計算した後、それぞれの地点の傾斜を計測し、平均粒子密度を用いて時習の森の土全体の重さと土の粘着力を求め、粘着力をW、破壊面に働く垂直応力Xを、内部摩擦角をYとし、クーロンの式に当てはめ、崩壊面の土の強度定数と各地点でのせん断応力を算出する。地理院地図を用いて、各地点の断面図を制作し、膨らんでいる地形を見つける。
【結果】 柱状図、地質図制作においては、地表480cm地点に粘土層が発見された。粒子密度実験では、A地点1.36g/cm³、B地点1.24g/cm³、C地点1.86g/cm³、D地点1.64g/cm³、E地点1.65g/cm³、F地点1.87g/cm³、G地点1.67g/cm³、山頂1.99g/cm³、崩壊面1.86g/cm³となった。土の強度計測実験では、崩壊面の強度定数は23.00kN/m²となりせん断応力はA地点9.95kN/m²(12度)B地点10.72kN/m²(20度)、C地点10.49kN/m²(18度)、D地点9.71kN/m²(8度)、E地点9.82kN/m²(8度)、F地点9.58kN/m²(4度)、G地点19.14kN/m²(52度)、山頂9.53kN/m²(2度)となった。地理院地図を用いた地形の膨らみの観測では、山頂からG地点にかけての断面図で地形の膨らみが見られた。
【議論】 地質図において、粘土層の部分と表層崩壊が起こった地点は重なっていなかったため、この表層崩壊において粘土は主な要因ではなかったと考えられる。粒子密度実験においては、崩壊面付近の粒子密度が他の地点と比べて高くなっていたが、粒子密度から予想される土の成分としては全く同じものであったため、優位性はないと思われる。各地点における傾斜と断面図せん断応力においては、G地点の19.14kN/m²が強度定数に最も近くなっているとわかった。この数値は台風などの豪雨に見舞われ、雨水によって土が重くなり、負荷がかかった際に、十分に崩壊の可能性がある。また、断面図の観点から見ても、G地点は膨らんだ地形であり、せん断応力と合わせて考えると、G地点は非常に表層崩壊が起こりやすい地点であるといえる。
【結論】以上のことから時習の森において今後表層崩壊が起こる可能性が高いと言えるのはG地点であり、G地点は危険であるといえる。そのため我々は、本研究で制作した地質図に危険地帯をプロットし、ハザードマップのようなものを作ることによって、視覚的に危険地帯がわかるようにした。この地図をフィールドワーク等に用いて、時習の森をより安全で生徒にとって親しみ深いものにしていきたい。
本研究にあたり、終始適切な助言を賜り、また丁寧に指導して下さった仙台第三高等学校の南部拓未先生、佐々木敦先生に感謝の意を表します。調査、実験の実施においてもお二人にはひとかたならぬお世話になりました。誠にありがとうございました。今後ともご支援をお願いします。同研究メンバーの今井勇貴君、石原一輝君とは共同で研究を進め、多くの刺激と示唆を得ることができました。感謝の意を表します。
アグロカネショウ株式会社,(N.d),”土壌の採取方法”,https://www.agrokanesho.co.jp/.
神戸大学,(n.d.),豪雨による自然斜面の表層崩壊メカニズムおよび対 策に関する研究,https://da.lib.kobe-u.ac.jp/da/kernel/D1006432/D1006432.pdf.
東京学芸大学,土壌圏[,Globe Teacher’s Guide],グローブ日本事務局,2021.
【目的】時習の森における表層崩壊の発生要因を解明し、時習の森内の危険箇所の詳細を調べることで、今後表層崩壊が起こりそうな箇所の予想や時習の森の安全性向上に役立てること。
【データ】 表層崩壊は多量の雨水の堆積や斜度60度以上の急斜面によって引き起こされることが多い。なだらっかでな膨らんだ地形は通常の斜面よりも表層崩壊が起こりやすい。時習の森の形はへこんだ六角形であり、面積が10652m²、体積が110070m³である。
【手法】 時習の森付近にある露頭地点から地質分析を行い、柱状図と地質図を作成。時習の森をA〜Gと山頂と崩壊面の9箇所に区画分けをし、それぞれの地点で採取した土25gに純水50gを加え加熱し、土中の空気を抜いた後、全体の体積が100mlになるまで純水を加え質量を計測し、土壌粒子密度を算出する。時習の森を六角形と見なし、地理院地図を用いて、面積と体積を計算した後、それぞれの地点の傾斜を計測し、平均粒子密度を用いて時習の森の土全体の重さと土の粘着力を求め、粘着力をW、破壊面に働く垂直応力Xを、内部摩擦角をYとし、クーロンの式に当てはめ、崩壊面の土の強度定数と各地点でのせん断応力を算出する。地理院地図を用いて、各地点の断面図を制作し、膨らんでいる地形を見つける。
【結果】 柱状図、地質図制作においては、地表480cm地点に粘土層が発見された。粒子密度実験では、A地点1.36g/cm³、B地点1.24g/cm³、C地点1.86g/cm³、D地点1.64g/cm³、E地点1.65g/cm³、F地点1.87g/cm³、G地点1.67g/cm³、山頂1.99g/cm³、崩壊面1.86g/cm³となった。土の強度計測実験では、崩壊面の強度定数は23.00kN/m²となりせん断応力はA地点9.95kN/m²(12度)B地点10.72kN/m²(20度)、C地点10.49kN/m²(18度)、D地点9.71kN/m²(8度)、E地点9.82kN/m²(8度)、F地点9.58kN/m²(4度)、G地点19.14kN/m²(52度)、山頂9.53kN/m²(2度)となった。地理院地図を用いた地形の膨らみの観測では、山頂からG地点にかけての断面図で地形の膨らみが見られた。
【議論】 地質図において、粘土層の部分と表層崩壊が起こった地点は重なっていなかったため、この表層崩壊において粘土は主な要因ではなかったと考えられる。粒子密度実験においては、崩壊面付近の粒子密度が他の地点と比べて高くなっていたが、粒子密度から予想される土の成分としては全く同じものであったため、優位性はないと思われる。各地点における傾斜と断面図せん断応力においては、G地点の19.14kN/m²が強度定数に最も近くなっているとわかった。この数値は台風などの豪雨に見舞われ、雨水によって土が重くなり、負荷がかかった際に、十分に崩壊の可能性がある。また、断面図の観点から見ても、G地点は膨らんだ地形であり、せん断応力と合わせて考えると、G地点は非常に表層崩壊が起こりやすい地点であるといえる。
【結論】以上のことから時習の森において今後表層崩壊が起こる可能性が高いと言えるのはG地点であり、G地点は危険であるといえる。そのため我々は、本研究で制作した地質図に危険地帯をプロットし、ハザードマップのようなものを作ることによって、視覚的に危険地帯がわかるようにした。この地図をフィールドワーク等に用いて、時習の森をより安全で生徒にとって親しみ深いものにしていきたい。
本研究にあたり、終始適切な助言を賜り、また丁寧に指導して下さった仙台第三高等学校の南部拓未先生、佐々木敦先生に感謝の意を表します。調査、実験の実施においてもお二人にはひとかたならぬお世話になりました。誠にありがとうございました。今後ともご支援をお願いします。同研究メンバーの今井勇貴君、石原一輝君とは共同で研究を進め、多くの刺激と示唆を得ることができました。感謝の意を表します。
アグロカネショウ株式会社,(N.d),”土壌の採取方法”,https://www.agrokanesho.co.jp/.
神戸大学,(n.d.),豪雨による自然斜面の表層崩壊メカニズムおよび対 策に関する研究,https://da.lib.kobe-u.ac.jp/da/kernel/D1006432/D1006432.pdf.
東京学芸大学,土壌圏[,Globe Teacher’s Guide],グローブ日本事務局,2021.
