日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

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[O-11] 高校生ポスター発表

2025年5月25日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)、鈴木 智恵子(海洋研究開発機構)、中西 諒(国立研究開発法人産業技術総合研究所)


13:45 〜 15:15

[O11-P91] 喜界島のサンゴの蛍光と光合成活性について

*大森 彩音1 (1.喜界高校/サンゴ留学、2.喜界島サンゴ科学研究所)

はじめに

鹿児島県の喜界島には多くのサンゴが生息し、同じ種類のサンゴでも肉額で見える色や蛍光の強さは違う。蛍光を決定するのは蛍光タンパク質であり、サンゴの蛍光色素は強い光からサンゴを守り、緑色蛍光は褐虫藻を誘引する働きがあることがわかっている (Aihara et al., 2019)。また、先行研究(牧田ほか 2022)により、水深と蛍光強度には相関が見られなかったことが分かった。本研究ではサンゴの白化の進行具合に注目し、光合成活性、蛍光の強度に違いがあるかどうかを明らかにすることを目的とした。

手法

喜界島の東北に位置する白水集落沿岸のタイドプールで、2024年7月6日12時から13時と2024年8月22日13時から14時にかけて、干潮の時間帯に造礁サンゴ試料を採取した(図1 a)。サンゴの発する蛍光と生息する水深の関係を比較するため、浅い箇所にも生息するコカメノコキクメイシ とシコロサンゴを試料として採取した(図1 a)。サンゴ試料は喜界島海と陸の造礁サンゴ図鑑(深見ほか2022)を用いて種類を同定した。サンゴを採取したその日に防外線ライト (AS ONE Handy UV Lamp LUV-16 365nm) の照射下でデジタルカメラを条件一定で撮影した (Panasonic GHIV, ISO800、絞り2.8、シャッタースピード 1/5)。蛍光強度を測定するため、撮影した画像はデータとして出力し画像処理ソフト Image J (Abramoff et al., 2004)を用いて、一番蛍光の強い10mm*10mmの面積のピクセルごとでRGB値を測定し、試料間で比較のため緑と青の蛍光強度の比であるG/B値を求めた(図1 b)。また、サンゴの光合成活性を調べるため、PAM蛍光法(Heinz Waltz社Junior PAM) を用いてFm/Fvを測定した。


結果

白化していないサンゴだけみると水深と蛍光強度、水深と光合成活性には相関が見られなかった、シコロサンゴ属の2つが蛍光強度が高かったことがわかった。反対に白化しているサンゴは光合成活性が低かったが光合成活性は白化していないサンゴとあまり変わらなかった。白化しているサンゴとしていないサンゴでは蛍光強度にあまり違いが見られなかった。

また、光合成活性が低いサンゴは蛍光強度が高い傾向にある。

考察

水深と光合成活性に相関が見られなかったのは先行研究(牧田ほか 2022)と一致する。

白化しているサンゴの光合成活性が0ではなく、低くなったのはまだ白化がまだ進んでいなく、完全に白化していないためと考えた。また、緑色蛍光は褐虫藻を誘引する働きがあることがわかっている (Aihara et al., 2019)ことから、光合成活性が低いサンゴが蛍光強度を高く保つのは白化しかけているサンゴが多くの蛍光を発し、サンゴ自身が白化しないように褐虫藻を誘引しているためだと考えた。


展望

今回の実験では自然下の水温が変化する環境で生息するサンゴを試料として行った。しかし、実験結果で蛍光強度と水深には関係が見られないことがわかった。そのため、次の実験では、水槽下の水温が一定の環境で生息するサンゴを試料として光の加わる強さでどう蛍光強度が変化するのか研究していきたい。

謝辞

本研究にあたり、駒越太郎先生をはじめ、ご指導とご協力をいただいた喜界島サンゴ礁科学研究所の皆様に深く感謝申し上げます。また、家族や友人の支えにも心から感謝いたします。


参考文献

Aihara et al., 2019 Abramoff et al.,2004 牧田ほか 2022